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【dApps特集②】dApps(ダップス)とイーサリアム(Ethereum)など各プラットフォームについて

2018.02.13

<この記事(ページ)は 8分で読めます>

dAppsとはなんなのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

dApps(ダップス)とイーサリアム(Ethereum)の関係とは?

イーサリアム(Ethereum)はdApps(ダップス)構築のためのプラットフォームであるとよく言われます。プラットフォームとは一言でいうと「基盤」ということで、イーサリアム(Ethereum)は新しいdApps(ダップス)を開発するときに必要となるいくつかの部品を提供している基盤という見方ができます。

例えばクリプトキティと同じように、イーサリアム(Ethereum)を元に開発されたdApps(ダップス)は、イーサリアム(Ethereum)のブロックチェーンやスマートコントラクトの仕組みなど、いろいろなものを利用しています。このようにして新しくdApps(ダップス)を開発する際にすでに基盤として存在するイーサリアム(Ethereum)を利用することで、開発のコストを下げることができます。

基盤として利用されることでさらにイーサリアム(Ethereum)が使われるようになりますし、逆にdApps(ダップス)もイーサリアム(Ethereum)のブロックチェーンを利用することで記録が改ざんされないというセキュリティや、スマートコントラクトによる非中央集権性を簡単に実装することができます。このような点で、イーサリアム(Ethereum)と、イーサリアム(Ethereum)上に作られたdAppsは互いに支え合っている関係という見方ができます。

dApps(ダップス)を構築するためのプラットフォーム

dAppsを構築するためのプラットフォームとしてさまざまなものが開発されていますが、その中でも特に注目を浴びているプラットフォームとその特徴を紹介します。

プラットフォームはdApps(ダップス)を開発する際にコストを下げるための基盤で、イーサリアム(Ethereum)以外にもさまざまなプラットフォームが注目を集めています。

イーサリアム(Ethereum):普及しているdAppsの多さにより実用性が保証

ethereum

イーサリアムのdAppsは現在、実用段階のネットワーク(liveネット)で機能しているものだけで311個もあり、他の仮想通貨を大きくリードしていると言えるでしょう。dAppsの開発だけではなく独自トークンの発行が簡単に行えるという強みがあり、多くのトークンがイーサリアムベースで発行されています。

イーサリアム(Ethereum)のスマートコントラクトはdApps(ダップス)のように中央主体のないシステムと非常に相性がいいため、多くのdApps(ダップス)のためのプラットフォームでスマートコントラクトが取り入れられています。ビットコインにおけるライトニングネットワークのようなオフチェーンでのスケーラビリティの解決策としてライデンネットワークの開発が進められています。

有名なものでは、予測市場型のオーガー(Augur)、ノーシス(Gnosis)やクリプトキティなどがあります。

オーガー、ノーシスの予測市場型ってどんな仮想通貨?

ネオ(NEO):開発言語の多様性によりさまざまな開発者の参入が可能

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中国版イーサリアムと言われることが多いネオ(NEO)ですが、イーサリアムを利用してdApps(ダップス)を開発する際には基本的にSolidityという独自の言語を使用しないといけないのに対し、ネオ(NEO)ではC#、Java、Python、Javascriptなどさまざまな言語が利用できることが一番の強みです。

処理速度が速いという強みもありましたが、他にも処理速度の速いプラットフォームが多くできたことや、イーサリアム(Ethereum)でもライデンネットワークの開発が進められていることもあり、今ではあまり強みとは言えないでしょう。しかし、ここ最近ネオ(NEO)ベースのdApps(ダップス)の開発が進められていて、ネオ(NEO)の価格もそれに伴い高騰しています。

ネオ(NEO)をベースとして開発されているdApps(ダップス)には、AdEXNEXなどがあります。AdEXはブロックチェーンとスマートコントラクトを用いてオンライン広告を非中央集権的に管理することで詐欺・プライバシーの侵害などの問題を防ぐことを目標としています。NEXはネオ(NEO)をベースとした分散型取引所の構築を目標としていて、ネオ(NEO)のブロックチェーンとオフチェーンでのマッチングを融合することでより早くより複雑な取引を可能にします。

リスク(Lisk):子チェーン上でトークンが扱えるためメインチェーンが混雑しない

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リスク(Lisk)は、中国版イーサリアム(Ethereum)のネオ(NEO)に対してアメリカ版のイーサリアム(Ethereum)で、Javascriptを用いたdApps(ダップス)の開発を可能にします。イーサリアム(Ethereum)ではdApps(ダップス)に関連したトランザクションもイーサリアム(Ethereum)のメインのブロックチェーンの上で処理されますが、リスク(Lisk)上で開発されたdApps(ダップス)はメインのブロックチェーンとは別のサイドチェーンと呼ばれるブロックチェーンの上で処理されることになります。

このため、すべての記録をメインのブロックチェーンに書き込むイーサリアム(Ethereum)に比べてリスク(Lisk)のほうがスケーラビリティが高いと言えます。また、dApps(ダップス)がサイドチェーンで処理されているため、イーサリアム(Ethereum)のThe DAO事件のようにセキュリテイの欠陥を突いた攻撃を受けた際にもメインチェーン自体は影響を受けないため、より信頼性が高いということができます。

リスク(Lisk)ではdApps(ダップス)の開発の際に有用な、アプリケーションの開発ツール・テストを行うための環境などが開発者のために準備されているため、アプリケーションの開発のハードルが下げられています。このため、今後リスク(Lisk)をベースとしたdApps(ダップス)の開発が進められると期待されています。

2018年1月31日には、ビットフライヤー(Bitflyer)に上場が発表されたこともあり、価格が大きく上昇しました。

クアンタム(Qtum):堅牢性の高いビットコインのブロックチェーンとイーサリアムのアプリケーションのハイブリッド

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クアンタム(Qtum)はビットコイン(Bitcoin)とイーサリアム(Ethereum)のそれぞれの長所をハイブリッドしたdApps(ダップス)構築のためのプラットフォームです。ビットコイン(Bitcoin)のブロックチェーンはマイニングプールの莫大なハッシュパワーにより支えられているため、ブロックチェーンのセキュリティでは圧倒的に優れていると言えます過去に遡って記録を書き換えて、改ざんした記録に対応したブロックを生成することが現実的に不可能なため)。

このビットコイン(Bitcoin)のブロックチェーンの強いセキュリティと、イーサリアム(Ethereum)のスマートコントラクトなどのdApps(ダップス)の開発に適した性質を組み合わせることを可能にしているのがクアンタム(Qtum)です。

具体的には、イーサリアム(Ethereum)でのdApps(ダップス)が実際に機能する場所であるEVM(Ethereum Virtual Machine、イーサリアムバーチャルマシン)と、ビットコインのブロックチェーンをつなぐ役割をクアンタム(Qtum)が果たすことで、実行環境としてはイーサリアム(Ethereum)ながら、ビットコイン(Bitcoin)のブロックチェーンにより安全性を保証されています。

クアンタム(Qtum)をベースとしたdApps(ダップス)の開発は近頃急に注目を集め、数が増えつつあります。Arkのような複数のブロックチェーンを介した取引を可能にするHERO NODEや、イーサリアム(Ethereum)におけるノーシス(Gnosis)のような予測市場型dApps(ダップス)のBODHIなど、さまざまなdApps(ダップス)の開発が進んでいて、今度が楽しみです。

ウェイブズ(Waves):分散型取引所とdApp(ダップス)の融合

 

ウェイブズ(Waves)は、仮想通貨ネクスト(NXT)のコア開発者やコミュニティメンバーにより開発されたプラットフォームで、ウォレット自体に分散型取引所の機能が実装されていることが特徴です。

2017年11月8日に新しいアルゴリズムであるWaves-NGの試験運用を開始し、今ではウェイブズ(Waves)は世界最速の処理速度を誇っています。ウェイブズ(Waves)トークンどうしの交換だけではなく、米ドル(USD)やユーロ(EUR)などといった法定通貨との交換も可能となったため、プラットフォームとしてウェイブズ(Waves)を利用したトークンの発行が盛んになっています。

https://wavesplatform.com

https://wavesplatform.com

ウェイブズ(Waves)のサイトによると、これまでに9633個のトークンが発行されていて10億円以上の時価総額になっています。ウェイブズ(Waves)を利用したトークンの発行は容易なため、今後も多くのトークンがWaves上で発行されることが考えられます。イーサリアム(Ethereum)で発行されたトークンが注目されている傾向があるので、情報発信力を今後どのように獲得していくかが課題でしょう。

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