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dApps(ダップス)の概要がわかったところで、最近注目を集めているdApps(ダップス)にはどんなものがあるのか、紹介します。
注目dAppsを種類ごとに紹介
特に注目されているdApps(ダップス)には、ポーカーなどのゲームや、くじ引きなど当選確率が一定であることが信頼性の上で大事なアプリケーションがあります。
こうしたアプリケーションは、ソースコードが公開されるオープンソースにより公平性を証明することができるので、従来の中央集権型のアプリケーションと比較してdApps(ダップス)の形で開発されたほうが、信頼を獲得することができます。
ファーストブラッド(First Blood)
ゲームと関連したdApps(ダップス)としてしばしば紹介されるのが、イーサリアム(Ethereum)をベースとして開発されたファーストブラッド(First Blood)です。ブロックチェーンにより完全に非中央集権的に機能するEスポーツのためのプラットフォームで、イーサリアム(Ethereum)のスマートコントラクトにもとづきトークンがゲームの勝者に与えられます。
実際にゲームをプレイすることも可能になっていて、DOTA2というゲームにも対応しています。
vDice
ゲームだけではなく賭け事を行うためのdApps(ダップス)も開発が進められています。vDiceはイーサリアム(Ethereum)のネットワーク上で行われるギャンブルのためのdApps(ダップス)で、スマートコントラクトにより誰かが不正を行うことができないようになっています。
イーサリアム(Ethereum)ベースのゲームの中でかなりの注目を浴びていて、サイトでは「The Best Ether Game in the Universe」(宇宙で一番のイーサ(Ether)のゲーム)として紹介されています。
uPort
個人情報を入力・提供するときに生じるさまざまな問題を解決するために開発を進められているのがuPortです。uPortは、イーサリアム(Ethereum)ベースのdApps(ダップス)で、ユーザーがあらかじめ登録しておいた個人情報をブロックチェーンを用いて管理することで個人情報を提供する際に必要な情報だけを安全な方法で管理することを可能にします。
登録された個人情報はIPFSというシステムを用いて暗号化された状態でさまざまなノードに分散して保存され、ネットワーク上にはそれぞれの公開鍵のみしか表示されないようになっています。簡単にいうと、不特定多数の人には個人情報が公開されない形でネットワーク内のノードに情報を保存できるシステムになっているため、保存された個人情報に対するアクセス権を変更するには個人情報の持ち主の秘密鍵が必要となります。
秘密鍵は持ち主の一つのデバイスの中だけで管理され、特定のパスワードや指紋などの生体情報などをもってしても他の人が個人情報のアクセス権を変更することはできません。逆に本人が秘密鍵の入ったデバイスを紛失してしまった場合には、知人や家族などのマルチシグによる認証で他のデバイスからのアクセスが可能になります。
ニュースサイトによると、スイスのある市では個人情報の登録にuPortを用いることが可能になっています。
Ethlance
フリーランスのデザイナーやライター、プログラマーなどに向けた仕事を紹介する場としてのウェブサイトや掲示板などはすでにたくさんありますが、それらはいずれも中央主体により管理されていて仕事をした人と仕事をしてもらった人の間で仲介料が搾取されています。これによって生じるフリーランサーの不都合を減らすため、このような仕事の応募・志願を非中央集権的に管理しようとするのがEthlanceです。
報酬などの金銭の移動がすべてイーサリアム(Ethereum)のブロックチェーンの上で行われるため、マージンを取られていないことを簡単に確認することもできますし、仕事をしたのに報酬が支払われないということも防ぐことができます。また、互いに関するフィードバックを残すことができて、次の仕事依頼・受諾の際に過去のフィードバックを参考にすることができます。
すでに実用化していて、400人を超えるフリーランサーの登録がなされていて、頻繁に新しい仕事も更新されています。
Red Pulse
中国市場の成長は非常に著しく、消費者の動向など市場に関するデータの分析が重要であるにもかかわらず、そのような研究が特定の機関に偏り情報が広く普及していない現状を改善するため、研究におけるシェアリングエコノミーを推進するのがRed Pulseです。ブロックチェーンを用いて市場調査のコストを低下させるプロジェクトです。
RPXというトークンにより研究の報酬を与えることで、より多くの研究者の参加を促し、より正確で透明性の高い情報を広く発信することを目標としています。そのため、研究成果の精度や量に基づいて計算されたぶんの報酬がそれぞれの研究者に付与されます。この過程でブロックチェーンを導入することで仲介料などを搾取されることで研究者が生じる不都合を減らすとともに、記録をすべて保存できるようにしています。
RPXはネオ(NEO)をベースとした初めてのdApps(ダップス)ということもあり非常に注目を集めていて、今後が期待されています。
Aethia
さらに最近急激に注目を集めているのが、「イーサリアム(Ethereum)上のたまごっち」とも言われるAethiaです。
クリプトキティ(Cryptokitties)と同様に、イーサリアムのブロックチェーン上で処理されることでゲームが進行していくダップス(Dapps)の一つで、ゲームの内容が「たまごっち」に似ているということで日本でも注目を浴びています。卵から生まれたイーサごっち(Ethergotchi)を育てるのが目標のゲームで、イーサごっちの成長の過程で徐々に個性が出てきます。
たまごっちのようなゲーム機器を購入する必要はありませんが、卵の購入などにはイーサ(ETH)で支払う必要があります。アフィリエイトなどのシステムと同様、紹介した友人がイーサごっちを始めた場合には、本来お金のかかる卵が無料で付与されるようになっていて、紹介数が増えれば増えるほどレア度の高い卵が付与されるようになります。育てたイーサごっちはクリプトキティ同様オークションにかけることで、イーサ(ETH)に換金することができます。
まとめ
仮想通貨のほとんどをdApps(ダップス)とみなすことができますが、今の段階ではさまざまなプラットフォームが提供されています。今後もそれぞれの長所を生かしたdApps(ダップス)がそれぞれのプラットフォームで作成されていくでしょう。
2017年には新しいコインの開発コストを下げるためにビットコインなどの既成のコインからハードフォークを起こして新しいコインを作り出すことが流行りでしたが、実際にハードフォークを起こさない通貨やハードフォークを起こしても取引所で扱われない通貨が増えてきたため、ハードフォークコインは下火になってきているといえるでしょう。
ICOブームが再来している一方で、ネオ(NEO)やクアンタム(Qtum)など、イーサリアム(Ethereum)以外のプラットフォームをベースにしたdAppsの開発も盛んになってきています。今後しばらくはプラットフォームを提供している仮想通貨は注目を浴び続けるのではないでしょうか。
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