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アメリカの投資家向け資産保管サービスのKingdom Trustは、イギリス最大の保険市場Lloyd’s(ロイズ)を通して、同社が管理するデジタル資産に関わる盗難や不正によって被害が生じた際の保険を確保したと発表しました。
仮想通貨取引の高い安全性を保証
Kingdom Trustは、120億ドルの資産を管理し、その顧客は10万人以上にのぼると言います。
CEO、Matt Jennings氏は、次のように述べています。
「ロイズのようなスペシャリストが我々のプラットフォームに参加することで、さらに信用力を高めることができる。我々は、現在と未来の顧客に高い安全性を保証できる。また金融機関が苦労して模索してきた安全維持ための解決策を完成させることができる。」
保険の引受業者は匿名、コインの種類は30以上
Kingdom Trustは、仮想通貨関連の具体的な保険引受業者を明らかにしていません。
ブローカーであるイリノイ州のSafe Deposit Box Insurance(SDBIC)を通して保険組合ロイズに属する匿名の保険引受業社と契約を結んだとのことです。
当初は、対象は主要な4つの仮想通貨のみでしたが、最終的には30種類以上の仮想通貨が対象になりました。
その中には、ビットコインをはじめ、リップル、イーサリアム、イーサリアムクラシック、ステラ、ジーキャッシュ、ライトコインなどが含まれるとのことです。
依然として高額な保険料
昨今、仮想通貨スタートアップ企業がさらされている様々なリスクに対処するために保険の必要性を認識し始めたことで、保険会社は秘かに仮想通貨関連企業へのサービスを拡大してきました。
潜在的なリスクのつきまとう分野であるにも関わらず、デジタル資産に関わる保険は一般のビジネスにかかる保険料よりも高く、これが仮想通貨保険が敬遠される原因のひとつとなっています。
中には高い保険料を払い続けることができなくなったり、保険に加入するまでに長い時間待たされる仮想通貨企業もあるようです。
Jennings氏は、ロイターに次のように語っています。
「Kingdom Trustは2010年に企業したときから加入できる保険を探していた、しかし保障内容の追求に数年かかっている。」
先進国の大手保険会社が徐々に参入
仮想通貨関連の保険を公に発表している保険会社もあります。
ドイツのアリアンツ、ニューヨークを拠点とするAIG、そして日本の三井住友海上などです。
保障内容は外部リスクと内部リスクの両面に渡り、従業員による盗難やハッキング、スタッフによる単純ミスなども含まれるとのことです。
保障内容を提示する前には多岐に渡る調査がなされ、セキュリティ監査や従業員の経歴なども調査されるとのことです。
世界最大の保険組合のロイズがついに仮想通貨保険に参入し始めました。
そのリスクの高さから、保険会社側も引き受けには慎重な姿勢を見せていますが、仮想通貨市場の拡大に伴い、大手保険会社が参入せざるを得ない状況なのかもしれません。
取引所の保険加入が普及すれば、仮想通貨取引に対する安心感が増すことは期待できそうです。
参考サイト:
”https://www.ccn.com/covered-llyods-of-london-is-insuring-a-crypto-custody-services-firm/”