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つくば市で国内初のブロックチェーン技術を利用したネット投票が導入されました。この投票は、IoTやAI、ビックデータ解析などの最先端技術を活用するつくば市内での実証実験支援の一環として行われ、8月20日に期日前投票を開始し、8月28日の本投票で終了しました。
マイナンバーとブロックチェーンを利用した日本初の投票
今回のネット投票システムは「つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業」の最終審査で導入されました。ブロックチェーン技術の活用により、ネット投票で1番問題視される情報の信頼性を高めることが可能で、投票内容の改ざんを阻止し、安全性を持った効率的な投票を目指しています。ブロックチェーン技術とマイナンバーカードを利用した投票は日本国内初めての試みです。つくば市民のみならず、マイナンバーカードを所持する者であればだれでも投票有権者資格を持つことができます。
ネット投票への期待や不安
役所で実際に期日前投票を行った五十嵐市長は「もっと複雑な手続きになるかと思っていたが最小限で簡単という印象だった。非常に未来を感じる投票だ。ぜひ広めていきたい」と述べています。また、市長は将来的にネットワーク投票が本格化すると開票作業にかかる数千万もの人件費を大幅に削減できるとも述べました。
ネット投票に精通している東北大学教授、河村和徳氏は「ミスを恐れる行政機関や選挙管理委員会などがシステムの不具合などを気にして導入に踏み切りづらいのではないか」とネット投票システムへの懸念を抱いています。そして、「まずは在外投票や洋上投票で導入し、評判を高めることが必要だ」と話しています。
小規模な実証実験ではありましたが、最終的に119票も集まりました。しかし、署名用パスワードを忘れてしまう投票者が多数出たり、投票完了の通知が分かりにくかったりしたなど、今後の課題も発見されました。また、現在のマイナンバー普及率はたったの10%台であり、マイナンバーが本人確認の手段をしてまだポピュラーではないという問題点もあります。将来的にはスマートフォンアプリケーションなどにより、手軽に投票できるシステムを構築していく予定です。
このように世界各国に限らず日本でも広がるブロックチェーン技術の導入にこれからも注目が集まりそうです。
<参考サイト>
‘http://www.city.tsukuba.lg.jp/shisei/oshirase/1005129.html’
‘https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34385300R20C18A8000000/’
‘https://www.jiji.com/jc/article?k=2018090100425&g=pol’