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世界の主要中央銀行が結束。今後10年でキャッシュは消滅する?!

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最初の暗号通貨ビットコインがsatoshi(サトシ)によってもたらされ、ブロックチェーン技術が世界中で主流になるなか、この10年で更に1000以上ものブロックチェーンベースの暗号通貨が出現してきました。

以来、デジタル通貨が法定通貨を凌駕する危機を真剣に受け止めて、世界中の中央銀行は穏やかではいられませんでした。
彼らは、世界の金融システムを破壊する前に、台頭する新しいシステムを考慮しなければならない立場なのです。

そして先月遂に、世界の主要中央銀行が結束しました。

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中央銀行グループ結成

イングランド銀行、日本銀行、欧州中央銀行、カナダ銀行、スウェーデン中央銀行およびスイス国民銀行が国際決済銀行(BIS)とともに、中央銀行のデジタル通貨を調査することを、1月21日付のイングランド銀行のニュースリリースで発表されました。

(出典 https://www.bankofengland.co.uk/-/media/boe/files/news/2020/january/central-bank-group-to-assess-potential-cases-for-central-bank-digital-currencies.pdf)

この中央銀行グループは、BISのイノベーションハブを率いるブルワクーレ(Benoît Cœuré)氏と、イングランド銀行の副総裁およびBISで決済および市場インフラに関する委員会の長を務めるジョン・クンリフ氏が共同議長を務め、調査結果と経験をオープンに共有する為に結束しました。

新興技術、ユースケースやデジタル通貨の設計オプション、およびそのような通貨がどのように国境を越えていくのかまでを含めて調査検討していきます。

この結束自体が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)をローンチするというコミットメントではありません。しかし、このように主要中央銀行が結束したということは、CBDCプランが実現可能なのか、また各国中央銀行にとってどのくらい重要なのかを考えている事が見て取れます。

実際、BISが1年前に実施した調査によると、中央銀行の約7割がデジタル通貨プロジェクトを実施中あるいは進行中である、ということが分かっています。

CBDCの開発に火をつけたのはLibra(リブラ)?

中央銀行は長年にわたって、法定通貨(不換通貨)をデジタル化するために必要なものを研究して来ており、そのうちのいくつかは試験的に立ち上げられています。
しかし、昨年のFacebookのリブラが発表されると、その行動圧力は著しく高まりました。

ビットコインはその時価総額を上げ続け、ゴールドに匹敵するのかと取りざたされることがよくあるくらい、世界の資本の一部を占めていることは事実ですが、さすがにまだ、法定通貨のそれには匹敵しません。

一方で、リブラはそのFacebookのユーザー数を考えると、国境を越えて25億人にアクセス可能なため、発売時には世界人口のかなりの割合の資産を占有する可能性があります(あったのです)。

それが、リブラ開発が発表されてわずか数分後に、規制上の問題を提起した理由です。

Visa、MasterCard,e-BayやPayPalなど、多くの支持者がプロジェクトを離れ、規制当局が未だに精査を続けており、リブラの未来は不透明です。

しかし、このリブラによって混乱があったからこそ、世界の最大規模の中央銀行がデジタル通貨計画を加速させている、という重要な効果があったようです。

一般的に物事は混乱があって初めて統制の方向に向いていきますが、これも例外ではありませんね。
各国の開発事情は極秘様ではありましたが、ようやく足並みを揃え始めたように見えます。

世界のCBDC開発の現状

中央銀行デジタル通貨(CBDC)がもたらすメリットは、速さ、安さ、さらに安全性の高い決済というところにあります。特に国際間ではより重要なメリットです。

さらにはマネーロンダリングや脱税を減らし、より洗練されたインフレの管理も可能です。
中央銀行にとって更にダイレクトで柔軟な金融政策ツールをもたらします。

実際にデジタル法定通貨がどのように機能するかは、多くの設計案が提示されており、未だはっきりとは見えていません。

完全匿名性から完全透明性まで、プライバシーについて両極端な案もあり、恐らく、そのプライバシーの「程度」が重要になると思われます。
それに、誰でもアクセスできるの、かそれとも金融機関だけが出来るのかなど、そのアクセス権や利子にも広い範囲の設計案があります。

さまざまな賛否の中で多くの設計選別が行われている中、ウルグアイは2018年に中央銀デジタル通貨のパイロットを完了しました。

また、スウェーデンではほぼ80%の取引がデジタルでなされるので、e-Krona(eクローナ)と呼ばれるパイロット用のデジタル通貨を作っています。

支払いの大半がモバイルでされる中国も、デジタル通貨のパイロットに近づいているようです。

ハードカレンシー(交換可能通貨)の消滅は幻想ではない

恐らく、デジタル通貨の世の中になったとして、果たしてそれでよいのかという疑問は湧いてくるでしょう。
ハードカレンシーやコールドキャッシュなどと呼ばれる「現金」が使われなくなるということは、政府の監視レベルが新しいものになって行くであろうことは避けられません。

独裁的な国家においては、プライバシー保護など無いも同然ですが、民主主義国家でさえも議論の的になります。

私たちが行う日々の取引は、言葉よりも多くの事を語っていると言えます。
たとえば、日常の出費が細かく追跡されるようになればなるほど、オーウェリアン(Orwellian:ジョージ・オールウェルの小説「1984年」で描いた監視管理社会)的な、一般市民が常時監視されるといった結果に直面していく可能性が高くなります。

こういった意味では、プライベート決済のための闘いは道徳的なものである、と人権基金の最高戦略責任者およびシンギュラリティ大学の教授であるアレックス・グラドスタイン氏(Alex Gladstein)は昨年書いています。

彼はまた、ハードカレンシー(交換可能通貨)の消滅に対して幻想を抱いてはおらず、現金の使用料は次の10年でゼロにまで近づくと示唆しています。

だからこそ、プライバシーをデジタル通貨に組み込むことが重要になると彼は言います。
一部のプライバシーを中央銀行レベルで提供することも可能ですが、彼は、ビットコインベースのライトニングネットワークやその競合他社などの分散型決済メソッドを好んでいます。

法定通貨は消えることはありませんが、安全でグローバルな決済システムはそれに伴って成長し、ドルやポンド、円や元の紙幣に取って代わっていく可能性があります。

過去10年では私たちは、暗号通貨の誕生とその急激な高騰を目撃する証人となりました。

これからの10年では、パブリック(チェーン)とプライベート(チェーン)、中央集権型と分散型、それとも、それらの組み合わせ型、などそういった複数のデジタル通貨が平行して成長してく可能性があります。

中身はどうなるのか詳細はまだ開発中で不明のままですが、はっきりしているのは、お金の未来はデジタルになる、ということのようです。

「そういえば最近、現金を使わなくなったなぁ。」と身近なところでも声が聞こえてきませんか。

参考サイト:
“https://www.themandarin.com.au/124637-five-major-central-banks-unite-to-explore-launching-their-own-digital-currencies/”
“https://www.bankofengland.co.uk/-/media/boe/files/news/2020/january/central-bank-group-to-assess-potential-cases-for-central-bank-digital-currencies.pdf”
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