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【真偽はいかに】ソフトバンクが仮想通貨と 法定通貨とを同時に扱えるデビットカードを発行?

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海外のプレスリリース配信サイトPR Newswireは、Softbank(ソフトバンク)社が仮想通貨ウォレットと従来のデビットカードの機能を兼ね備えたSBCカード(Softbank’s SBC Wallet Cards)を正式に発行した、と今月3日に明らかにしました。(記事執筆時点でPR Newswireの同記事は削除されています。)

しかしソフトバンク広報担当はCoinDeskJapanの取材に対し、同社がそのような発表をした事実はないと否定しました。

当社は現在、「米国のソフトバンクも含めて事実関係を確認している」とのことです。

ではそもそも報道の発端となっているSBCカードとは何なのでしょうか。

SBCカード(Softbank’s SBC Wallet Cards)とは?

SBCカード(別名:IoTカード)とは、ソフトバンクが米Dynamics社と2018年から共同で開発を進めている新しいクレジットカードです。

SBCカードには通信機能とディスプレイが搭載されており、複数クレジットカードの切り替えや即時発行、メッセージやクーポン、QRコードの表示が可能になります。

また通信機能が搭載されていることで以下のような利点もあります。

①盗難紛失時の迅速な対応及び交換
②カード発券までのリードタイム短縮
③複数枚のカードを発行するコストの圧縮
④顧客・加盟店、イシュアーの関係強化
⑤後から企画したサービスの追加搭載も可能

セキュリティが気になるという方に向けては上記のカードにパスコードロック機能を付与したカードもあります。

登録したパスコードを入力してロックを解除することで、カード番号が表示される仕組みになっています。

問題となっている報道

事の発端はプレスリリース配信サイトPR Newswireが今月3日に投稿した記事です。
12月10日現在、同記事は削除されていて見ることができません。

同サイトが記事を投稿した後、海外のニュースサイトがこのPR Newswireの記事を転載するような形で次々と拡散しました。

それらには以下のようなことが書かれています。

また同様のニュース記事にはソフトバンクC&Sの広報担当者のコメントが引用されてます。

そしてこの拡散されたニュースが日本に伝わり、数多くのメディアサイトが同様のニュース記事を投稿しました。

ソフトバンク広報「今回の報道は当社発表のものではない」

問題となったニュースが国内で拡散された直後、CoinDesk Japanはソフトバンク広報担当に取材したとする記事を投稿しました。

そこで担当者は、「ソフトバンクの名前でリリースされているが当社のものではない、現在米国のソフトバンクも含め関係者に確認している」と明かしました。

またソフトバンクC&Sの広報担当者のコメントが引用されていることに関しては「知らないところでコメントされている」としました。

そして今回の件とは別に、ブロックチェーン技術を用いたカードを開発しているかと質問したところ、日本の広報担当者は「米Dynamicsと協業に同意したことは事実だが、発表以上のことはコメントできない」としました。

ソフトバンクの公式発表はあるのか?

今回のニュースが真実であるならば、仮想通貨業界とブロックチェーン業界に大きな影響を与えることになります。

つまり真実でない場合には、ソフトバンク側から今回の件に関する公式発表があると考えられます。

しかし記事を執筆している12月10日正午現在、ソフトバンク、ソフトバンクSBC、またDynamicsから公式発表は何1つありませんでした。

まとめ

ニュースが拡散されてから1週間が経過しているにもかかわらず何も公式な発表がない今回の問題。

ソフトバンクが現在大々的に宣伝しているのは東京大学と協力して立ち上げた「Beyond AI研究所」に関することです。

もしかしたらSBCカードに関するニュースが研究所開設のニュースの影響で裏に隠れているのかもしれません。

参考サイト:
”https://www.pymnts.com/cryptocurrency/2019/softbank-releases-sbc-wallet-cards-with-fiat-crypto-options/”
”https://www.coindeskjapan.com/29665/”
”https://biz.cas.softbank.jp/fintech/card/”
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