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ここ最近、ビットコインキャッシュのプロトコル開発に携わるビットコインABCとnChainの間でビットコインキャッシュの将来に関する論争が激化しており、このまま対立が続けば今年11月に予定しているハードフォークで分裂が起こるのではと騒がれています。
そしてこれに対し、もう1つの開発チーム“ビットコインアンリミテッド”が、中立の立場から休戦を要求していたことが明らかになりました。
今回の論争の流れ
この論争は主に、ビットコインABCのAmaury Séchet氏とnChainの主任研究者Craig Wright氏の間で行われてきました。
端的に言うと、“ビットコインABC側はBCHプロトコルに新たな変更案をいくつか提示しましたが、nChainとその後援者たちが「それはビットコインのホワイトペーパーの精神に反するものである」と反発した”、というのが今回の論争の全体像になります。
nChainのWright氏は、ビットコインは誕生してから何度もハードフォークにより分裂しているため、発案者であるサトシ・ナカモト本来の思想から離れてしまっていることに懸念を示していました。
そして、Wright氏をはじめとしたnChainチームが、ビットコインABCチームに対する反発の表れとして独自のクライアントである「ビットコインSV」のリリースを発表する、という事態にまで発展してしまったのです。
ビットコインアンリミテッド開発者もお手上げ状態
ビットコインアンリミテッドの開発者Andrew Stone氏はこの論争に対し、ビットコインアンリミテッドをクライアントに切り替えることでビットコインABCとnChainが妥協し合うことを望んでいるとのこと。
同氏は、
「皮肉なことに、これらのチェンジセットには相互に互換性があるが、両グループが互いを拒絶しています。
今まで成功していませんが、ビットコインアンリミテッドの代表者は彼らと共に妥協案を探しましたが、どんなに小さな挑戦も拒否されました。
不幸にも私は、これは技術的なメリットとエンドユーザーの採用ではなく、権力とエゴなのだと結論付けました。」
と語りました。
現在、ビットコインキャッシュノードオペレーターの約3分の1がビットコインアンリミテッドを、約3分の2がビットコインABCを、残り1.89%がその他のネットワークをクライアントとして実行しています。
(“Bitcoin Unlimited Calls for Ceasefire in BCH Hard Fork War”より引用)
このままハードフォークで分裂してしまうのか
今年5月に実行されたハードフォークでは、ブロックサイズの拡張とオペレーションコードの追加の2つのアップグレードが行われただけでした。
このままビットコインABCとnChain間で妥協案が生まれなければ、次のハードフォークでは両者ともの変更案が採用されてしまい新トークンが誕生することは確実ですが、これ以上コミュニティー内で大きな混乱が起こればビットコインキャッシュの評価に影響を及ぼしかねません。
来るハードフォークまで、ビットコインキャッシュの時価総額の動きにも注目しておいたほうが良いでしょう。
参考サイト
”https://www.ccn.com/bitcoin-unlimited-calls-for-ceasefire-in-bch-hard-fork-war/”