<この記事(ページ)は 3分で読めます>
世界最大のマイニング会社であり、マイニング装置製造も行うBitmain(ビットメイン社)の保有仮想通貨がリークされました。ビットコインキャッシュの大量保有が話題になっています。
ビットコインキャッシュの大量保有
リークされたのは香港でのIPOに備えるビットメインがプレIPOのプレゼンテーション用として用意した資料で、3月31日時点で100万ビットコインキャッシュ(BCH)を保有していることがわかります。これは現在レートで6億ドルに相当するものですが、資料作成時点からは3億ドル目減りしている計算になります。
資料は3月末時点のものであるため、最新の保有状況は不明ですが、ビットコインキャッシュの「長者番付」からは、66万~133万BCHだろうと推測されます。
ビットコインは減らしている
注目すべきは、ビットメインはビットコイン(BTC)の保有を減らしていることです。
2016年12月時点で71,500BTCあったものが、今年3月には22,000BTCに激減しています。
資料の数字からは、ビットコインを売却してビットコインキャッシュを買ったということにはなりませんが、マイニングやマイニング装置などからの利益と合わせてビットコインキャッシュの取得費用の一部に当てられたと言えます。
なぜBCTではなくBCHなのか
ビットメインにおけるビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)保有を金額を基にした割合として比較すると、23%(BTC)77%(BCH)となり、二つのコインの時価総額の差を考えると首をかしげる向きもあります。時価総額としては、ビットコインはビットコインキャッシュの約10倍です。また、ビットコインキャッシュは1月以来急落し、対ドルだけでなく、対BTCでも値を下げています。
ビットコインキャッシュとの関係
ビットメインとビットコインキャッシュとの関係は深いといわれています。昨年8月のハードフォーク(ブロックチェーンの分岐)によりビットコインからビットコインキャッシュが分裂した際には、ビットメインのCEOであるJihan Wu氏の関与が取りざたされました。
またその後も「ビットコインキャッシュが本当のビットコインだ」と発言し、それを受けてビットコインキャッシュの価格が上昇するなど、ビットコインキャッシュ寄りの動きを見せています。今回のビットコインキャッシュの大量保有はこういった一連の動向を裏付けており、比較的市場規模の小さいビットコインキャッシュの独占につながるのでは、という懸念があります。
史上最大のIPO
年末までにビットメインは香港証券取引所でのIPOを予定しており、180億ドルの調達を目指しています。これが成功すればフェイスブックを超えて史上最大のIPOとなり、時価総額は500億ドル以上となります。
しかしビットコインキャッシュの価格変動の行方によっては、その保有が重荷になり、市場の信頼を失いかねない状況に陥ることも考えられます。また、ビットコインキャッシュに対する非難も巻き起こるでしょう。
今回のリーク元の人物もビットメインに批判的で、このリークについては攻撃的な側面も指摘されています。
ビットメインの今後のポジションの取り方に世界中の視線が集まっています。
参考サイト
“https://www.ccn.com/bitmain-is-hodling-nearly-600-million-in-bitcoin-cash/”