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アメリカ政府がおとり捜査を行った結果、新手の巨大ダークウェブサイトが崩壊し、22億円相当の仮想通貨を押収したほか、35人が拘束されました。
ダークネット上での匿名性
おとり捜査に協力した職員は仮想通貨を購入するためにドルを売却し、市場内の経営者に関する情報を集めるためにマネーロンダリング業者に成りすましたそうです。
今回の捜査で押収されたものの中には、約100個の拳銃や麻薬、ASIC、現金およそ4億円、金塊などもありました。
市場の販売会社のうち50社は、システム内で匿名で営業していたにもかかわらず発見されました。
アメリカ政府の副大臣Rod J. Rosenstein氏は、今回の捜査に関して次のようにコメントしています。
「ダークネット上では安全だと思い込んでいる犯罪者は間違っています。
私たちは彼らのネットワークを曝すことができるのです。
この全国的な規模の執行力は、かつてないほど多くのアメリカ人を死に追いやっているフェンタニルのような極めて有害な薬物の供給を減らすでしょう。」
Tor(トーア)での匿名接続
ダークウェブサイトへの接続にはTor(トーア)という特殊なブラウザが必要ですが、Torが犯罪行為で使用されるのは全体の5%程度であり、実際大半の人はプライバシー保護のために匿名でネットを閲覧することを目的に使用しています。
アメリカ政府の努力により犯罪者の拘束に繋がりましたが、それと同時に今回の捜査でTorの特性である匿名性が不十分であることも示されてしまいました。
「匿名性」への対応は
最近ではMoneroなど匿名系仮想通貨に関しても流出やマネーロンダリングが急増しており、今後取り扱いを中止するよう金融庁が呼び掛けています。
どこまで個人情報を保護するのか、どこまで情報を明るみに出すのか、「匿名性」の線引きはなかなか難しいでしょう。