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ビットコインキャッシュってどうなの?
毎週日曜日にコインデスクから発行されている注目のニュースをまとめたCoin Desk Weekly内で、当会社のアナリストであるペーター・ライアンがビットコイン、およびビットコインキャッシュに関する分析結果を公表しました。
ロバート・ハインレインの小説『ストレンジャー・イン・ストレンジランド』内で、あるキャラクターが自分の秘書に、『遠くに見えるあの家は何色かね?』と尋ねたところ、その秘書はその家の一側面だけを見て、『白です』と答えるシーンがありましたが、実際に白いのは見えている面だけで他の角度からみると違う色だったというシーンがありました。
このように三次元の物体に働く『死角』というものは何も現物として存在するものだけに働く現象ではありません。これと同じようなことが仮想通貨にも言えるのです。価格変動や時価総額だけでは仮想通貨を判断するのは極めて難しいのです。
そのため、私たちコインデスク・リサーチは仮想通貨経済の価格変動や時価を超えた様々な方法、例えば開発者、社会性、ネットワークなどの観点から特定の通貨の本質へアプローチしていきます。
まずは、これらの多元分析ツールを活用して最近一周年の誕生日を迎えたビットコインキャッシュを分析して行きましょう。
ビットコインとビットコインキャッシュの比較チャート
Price
この値は、ビットコインに対しての時価総額の比率を表しています。この1年間で全盛期には最大20%まで上昇しましたが、現在は12%ほどまで減少しました。
Network
これはビットコインと比較したオンラインネットワークに関するアクティビティを示しています。年間を通じて25%前後を変動していましたが、ビットコインのネット上における総流通量の約4分の1の割合でビットコインキャッシュが流通していたと考えると、誕生一年目にしては幸先が良いと言えるでしょう。
Exchange
これは取引所で行われた売買の割合です。もちろんこれもビットコインに対してどれくらい活発化を図ったものであり、ビットコインに対して20%前後と活発な取引が行われていることがわかります。2017年に最高値に達し、2017年の8月19日(誕生した直後)と11月11日にはビットコインの取引量を一次的に上回りました。現在では100を超える取引所で売買が可能です。
Social
これはビットコインキャッシュが通貨として使われている割合を示したもので、非常に高い値(50%超え)を示していることがわかるかと思います。このことから、ビットコインは投資目的の資産として扱われることが多いのに対し、ビットコインキャッシュは実際に通貨として利用されていることが確認できます。
Developer
これは開発者の活動を示しています。簡単にいえばどれくらいの早さで進化しているかということを示した値で、これに関しては10%を下回っているので開発はあまり活発ではないということがわかるかと思います。逆に、既に環境が十分整っていると見るのが妥当でしょう。
全体として言えることは、ビットコインキャッシュはビットコインに対して開発速度、ネットワークへの浸透性、コイン自体の売買、価格の面では約4分の1程度の実力しか持っていませんがコインを使っての売買は活発に行われていることがわかりました。これはビットコインキャッシュが使える店舗が増えていること、そしてその流動性が認められている証拠でしょう。
これから、精算手段として仮想通貨を購入しようと考えているなら、ビットコインキャッシュが良いかもしれませんね。
参考サイト
“https://www.coindesk.com/a-new-way-to-compare-bitcoin-cash-to-bitcoin/”