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ビットコインがとうとう1BTC=50万円(4500ドル)にまで値上がりしました(2017年8月30日現在)。
ウナギ登りに価格が上昇しているビットコインは、この先どこまで値上がりするのでしょうか。
ビットコインの値上がりの仕組みとともに、さまざまな人物が予測しているビットコインの将来価格を紹介します。
ビットコイン価格、2018年の最新予測はこちら
通貨って何なの?
そもそも、通貨とは何でしょうか。辞書には「流通手段・支払い手段として機能する貨幣。本位貨幣・銀行券・補助貨幣・政府紙幣などや、取引の決済に使われる預金通貨を指す。広義には貨幣と同義。法貨」と記載されています。
つまり、通貨とは、モノやサービスなどと交換できる価値の代替物なのです。
コインが価値を持つってどういうこと?
では、ビットコインは最初から「通貨」だったのでしょうか。ビットコインが誕生したときは、プログラマーの間におけるゲームの報酬としてのコインとして使われていました。つまり、「モノと交換することができる」という通貨としての価値はまったくありませんでした。
そんなビットコインが通貨としての価値を初めてもったのは2010年5月22日のことです。
あるときフロリダ在住のプログラマーが「ビットコインでピザを買いたい」とビットコインの開発者のコミュニティに投稿しました。すると、あるピザ屋がその呼びかけに応じました。
その結果「ピザ2枚=1万BTC」で交換する取引が成立しました。
このとき、初めてビットコインがモノと交換することができる「通貨」としての価値をもったのです。これがビットコインの通貨としての始まりです。
当時のピザが2枚で20ドルであったとすると、1万BTCで20ドルになります。当時のレートで1ドルは約90円だったため、20ドルは約1800円になり、1BTCは約0.18円であったことがわかります。
そこから現在までに、1BTCは50万円にまで高騰しました。ビットコインの価値が260万倍になったということです。まさに、驚きです!(ちなみにピザを現在価格で計算すると2枚で4億8000万円に…)
ビットコインの価値はどう決まる?
ビットコインの価値を左右するものとしては大きく2つあります。
1つは市場での価値。そしてもう1つは、希少性です。
市場での価値形成
市場での価値形成とは、「需要と供給で価値が決まる状態」です。需要と供給でどのように価値が決まっているのか、通貨を例にみてみましょう。
一般的に、通貨の価格を決定する為替相場では「1ドル=110円」のように、通貨ごとに価値が決まります。日本円が市場に出回る量が減少したり(供給が減少する)、円を求める人が増える(円の需要が増加する)ほど円の価値は上がります。
反対に、円が市場に出回る量が増加したり(供給が増加する)、円を求める人が減少する(需要が減少する)と円の価値が低くなります。
仮想通貨も同様に、例えばビットコインの需要が高くなるほどビットコインの価値は上がります。
日本円などの法定通貨では、日銀などの中央銀行が通貨の流通量を調整することで通貨の安定性を保つことがあります。しかしブロックチェーンを基盤とする仮想通貨には中央銀行のようなコントロールセンターは存在しません(リップルなどの例外はある)。そのため、基本的には市場でビットコインの売り買いを行っている人によって価格が決まります。
ビットコインの希少性
ビットコインに「希少性がある」ということはどういうことなのでしょう。
希少性とは、「生産資源やそれから生産される財やサービスの利用可能量が、人間の欲望を満たすためには不足している状態」をいいます。すべての資源や財およびサービスの経済的価値はそれらの希少性に依存しており、それを「希少性の原理」といいます。
例えば、石油やレアメタル等の天然資源はその需要に対して埋蔵量に限りがあります。この場合、石油やレアメタルには希少性があると考えられ、その価格は需要が多いほど上昇します。
ビットコインの供給量にも限界があります。ビットコインの発行上限は2,100万枚と決まっています。そしてマイナーが発行するビットコインは1回につき50枚から4年ごとに半減し、1回につき25枚、12.5枚と減少していきます。このように発行上限が決まっていることでビットコインの希少性が半永久的に担保されます。
なぜなら、自由に通貨を発行することができる中央銀行のようなシステムとは大きく異なるからです。ビットコインの発行量はあらかじめプログラムされているため、誰もその発行量を変えることはできません。
ビットコインのさまざまな将来予測
予測1:$4,827の最高値を付け$2,221まで下落
2017年8月、ゴールドマンサックスのリード・テクニカル・ストラジニストであるSheba Jafari氏は、ビットコインが$4,827に達すると予測しています。しかしその後は38.2%下落し、$2,221(約24万円)になるだろうといいます。
これはエリオット波動論を用いた分析です。エリオット波動論は有名な相場分析方法の一つで、株式アナリストのラフル・ネルソン・エリオット(1871~1947年)が編み出しました。エリオット波動論とは「相場にはサイクルがあり、値動きには一定の法則がある」という理論で、その法則は「上昇→下降」という動きの組み合わせで、「上昇の波が5つ、下降の波が3つ」が存在するというものです。
Jafari氏はこの理論を使用してビットコインの価格を分析しています。確かにビットコインのこれまでの値動きをみるとエリオット理論に似た動きになっています。Jafari氏によると8月からの株価の上昇が上昇の第5波であり、その後、上昇の動きは終わりを迎えると考えられています。
下の2つの図を見比べると、8月30日現在、確かに第5波の上昇までが実現されているように見えます。そして、実際にビットコイン価格が$4,500を超え、最高値と予想されるところに手が届こうとしています。これは、もしかしたら予想通りに……?
予測2:2018年2月$13,800に到達
ウェブボットもビットコインの将来の価格を予測しています。ウェブボットとは、もともとは株式を予測するために1990年後半に開発された未来予測プログラムです。ネットを徘徊し、SNS、ニュース記事、ブログ等から情報を集め、インターネット上で人々がどのような言葉で、どのようにコミュニケーションをとり、どのような感情を持っているのかという情報から未来を予測します。
ウェブボット開発者であるClif High氏によると、ビットコインは2018年2月には$13,800(約150万6000円)まで上昇すると未来予測をしています。
予測3:3年以内に$500,000
ウイルス対策ソフトで有名なJohn Mcafee氏は、ビットコインが3年のうちに$500,000(約5400万円)になるとする予測をツイッターで表明しました。しかし、この発言は自身のICOであるマカフィー・コインのための煽りではないかとも考えられるため、発言の信憑性が疑われています。
予測4:2020年までに$250,000
BitGoのソフトウェアエンジニアのJameson Lopp氏は、ビットコインが2020年までに$250,000(約2,700万円)に達すると予測しています。2010年から7年間の日平均増加率を計算したところ、2014年のマウントゴックス事件を除く6年間すべてで値上がりしており、非線形となっています。ここから計算すると、2020年までには$250,000に到達するのだそうです。
予測5:10年後には$100,000になる
Saxo Bankのアナリストである Kay Van-Petersen氏によると、ビットコインは今後10年間で、日平均5兆円の外貨為替市場の10%を占めると予測しています。Van-Petersen氏は、2017年にビットコインが$2,000になると予測し的中させた人物です。彼によると、ビットコインは今後10年間で1BTC=10万ドル(約1,000万円)になるそうです。
予測6:2030年までに$50,000
Snap Chatに最初に投資した投資家であるJeremy Liew氏と、Block Chain社のCEOであるPeter Smith氏は、ビットコインはまだその潜在能力を発揮していないといいます。そして2030年には1BTC=$50,000(約545万円)になると予測しています。
一般人による予測
Bitcoin Forumという海外の掲示板では、一般の人々がビットコインの将来に関するさまざまな予測を披露しています。なかにはしっかりした論拠があり、説得力のある予測値もあるので、そこからいくつか紹介します。
2021年に$3,935,454!!??
2010年7月17日、ビットコイン取引開始時の価格は1BTC=$0.05でした。それが、2014年12月6日では1BTC=$375となりました。この期間は1604日(53カ月)です。つまりビットコインが2倍の価格になる期間は53カ月のうち4.1カ月であるといえます。次に2017年2月27日の$1,177を開始時点として考えるとこちらも同様に4.1カ月でビットコインの価格は2倍となりました。その法則をもとに計算すると、
March 1st 2018 – $8,950 per 1 BTC
March 1st 2019 – $68,059 per 1 BTC
March 1st 2020 – $517,536 per 1 BTC
March 1st 2021 – $3,935,454 Per 1 BTC(4億3000万円)
という予測値が算出されます。
2021年に$516,115
2010年7月17日、取引開始時のビットコインの価格は$0.05でした。その後の2017年2月28日のビットコインの価格は$1,177でした。この期間は2418日、あるいは79.497カ月です。次に2017年2月27日を開始時点とし計算すると、5.473カ月で価格が2倍になりました。
この法則に従って今後4年間を試算すると、
March 1st 2018 – $5,403 per 1 BTC
March 1st 2019 – $24,699 per 1 BTC
March 1st 2020 – $112,699 per 1 BTC
March 1st 2021 – $516,115 Per 1 BTC(約5,600万円)
という予測値が算出されます。
まとめ
さまざまな予測がされているビットコインですが、実際のところはどうなるか誰も予測することができません。数年後、数十年後、ビットコインは考えられないほど値上がりしているかもしれないし、存在しない通貨となっているかもしれません。
人の考えは十人十色。自分で調べ、自分で考え、自分で判断することが実は一番の成功の近道なのかもしれません。