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野口悠紀雄という方をご存知でしょうか?
早稲田大学のビジネス・ファイナンス研究センターの顧問を務めるなど、日本の有名な経済学者の一人です。
野口氏は以前から自身の著書や記事において、ビットコインの価格が再び急騰するとは思っていないと訴え続けています。
今後ビットコインの価格急騰が見込めない原因は先物取引にある
野口氏は今年1月に書いた記事で、次のようにコメントしていました。
「2009年のビットコイン発足から2017年中頃まで、価格は44万円を下回っていました。
しかし、2017年の後半にその価格は220万円台まで劇的に上昇し、12月末以降には急速な下落を見せました。
この下落は、CBOE(シカゴオプション取引所)やCME(シカゴ商品取引所)で先物取引が開始され、弱気の見通しが市場に反映できるようになったためであると考えられます。」
これは、以前CJSで掲載した「ビットコイン、2018年で最低価格の64万円台を記録」でも一部取り上げた、サンフランシスコ連邦準備銀行の報告内容と全く同じ見解になります。
そして今回はこれに引き続き、「当時のビットコインの急騰はバブルとしか言いようがないものでした。それが今正常な状況に戻ってきていると解釈しています。」と主張しました。
野口氏は、現在ビットコインの価格が昨年12月のおよそ三分の一であること指摘し、先物取引が可能になった今、価格の急騰は見込めないという考えのようです。
その一方で、ビットコインの価格が下がったことで送金料は銀行の預金振替と争えるほど安価になり、これは歓迎すべきことだとコメントしています。
ビットコイン価格が高騰を示さない=人気の低下を示すのか?
ここまで見ると、「価格の高騰がない=ビットコインの人気の低下」のように思えてきますが、野口氏にその考えはないようです。
むしろその逆で、「送金の手段」という観点から考えると、これはビットコインが使い易くなっていることを意味しているとコメントしています。
「銀行の振込手数料との関係性を見てみましょう。
三菱UFJ銀行の場合、他行宛ては3万円以上の送金で432円です。
一方、仮想通貨取引所ビットフライヤーの場合、ビットコインの送金手数料は0.0004BTCになります。
0.0004BTCが432円に相当した場合、ビットコインの価格は1BTC=108万円になります。
例えば、6月28日のビットコインの値段は約70万円であるため、実質銀行手数料より安くなる計算になります。
送金手段として正当化されるためにはもっと価格が下がる必要があります。
また、UFJの場合3万円未満の送金では270円の手数料になります。
ビットコインの手数料がこの金額になるには、価格が約67万5000円になればいいのです。
つまり、現在よりももう少し価格が下がればこの水準になるのです。
このように見ると、ビットコインの価格は正常な値に戻ってきていると考えられます。」
現状、ビットコインを含め仮想通貨を買う人のほとんどが投資目的であるため、現在の下落状況を見て将来性がないと考えてしまう方が多い、ということでしょうか。
しかし、野口氏の言う通りビットコインが発足した本来の目標である「送金手段」の観点から考えてみると、確かに実用面において理想的な価格に戻ってきていると言えます。
このまま上手く価格を維持し続けたとすると、ビットコインが送金手段になる日は近いかもしれません。
参考サイト
“https://news.bitcoin.com/japanese-economist-explains-why-another-bitcoin-price-surge-is-unlikely/”