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マネックスグループの松本大社長は、会見で4月に買収した仮想通貨取引所コインチェックについて「8月には金融庁の登録を受けて事業再開をしたい」と述べました。
コインチェックは今年1月、巨額の仮想通貨「NEM」流出の事件後、金融庁から2度の業務改善命令を受け、現在も新規ユーザー登録と一部のサービスを停止しています。
経営管理体制の刷新をアピール。米国進出にも意欲的。
業務改善命令を受け、経営管理体制の見直しとセキュリティの再構築に努めてきました。マネックスグループによる買収を機に、マネックスGの取締役会、コインチェックの取締役会が重層的に経営を監視する体制に変更したと述べました。
松本社長は「他の仮想通貨交換業者と比較しても、コインチェックの管理体制はかなりしっかりしている」と自信をのぞかせました。
また、仮想通貨事業の米国進出についても調査中であることを明らかにしました。米フロリダ州に新会社「トレードステーションクリプト」を設立し、ニューヨーク州のビットライセンスをはじめ全米各州でライセンスの取得に取り組んでいることを明らかにしました。
マネックスGが4月26日に発表した18年3月期決算では、コインチェックの売上高は626憶円、営業利益は537億円と、驚異的な利益率を見せていました。
松本氏は「かつてのような収益性は可能だ」と語りました。
4~6月期は税引前利益で赤字となりましたが、管理態勢強化やセキュリティでのハード・ソフト両面への投資でコスト増になったためとしています。
松本氏は、「仮想通貨マーケット自体についてはまだ戻ってくる」と述べたうえで、「新しい通貨の追加や新サービスも必要」と強調しました。
他社との競争による影響について、松本氏は「収益率縮小は限定的」とみており、仮想通貨交換業はセキュリティ技術などに高度な技術が必要とされる「高度技術集積産業」とし、「誰でも参入できるビジネスではない」と指摘しました。
多額のNEM流出事件から、内部管理体制の刷新に努めてきたコインチェック。
セキュリティの強化をアピールしていますが、実際に事業再開してからどれだけ投資家からの信頼を取り戻すことができるのか、今後の動向に注目が集まります。
参考サイト:
“https://jp.reuters.com/article/coincheck-monex-idJPKBN1KH0TF”
“https://jp.cointelegraph.com/news/monex-ceo-hopes-coincheck-will-restarat-full-service-in-august-and-prepare-us-cypto-business”