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ベネズエラ中央銀行は国内居住者が旧法定通貨であるボリバルを新法定通貨、ボリバル・ソベラノへ換算することができるアンドロイドアプリを立ち上げました。
ボリバル・ソベラノはペトロに紐づけられた新しい通貨です。
アプリは換算機能だけでなく情報発信するも、政治的圧力が影響。
このアプリは”Sovereign Calculator”と呼ばれ、特に複雑な計算をすることなく、ゼロを5つとって10万分の1にするものです。
報道された時点で、1万回ダウンロードされておりGoogle Playストアでは184人の評価で4.7ポイントとのことです。
また、最新のニュースや情報をユーザーに提供するとのことです。
ブルームバーグの報道では、このアプリの開発者であるコミュニケーションデジタルVEは、様々なアプリをGoogle App Storeで発表しており、これらのアプリは全てベネズエラの社会主義者の体制を支持するものであり、明らかに国のリーダーとされる彼らに好意的に作られています。
今月初旬に、ベネズエラの大統領、ニコラス・マドゥロ氏は法定通貨デノミを実行し、その価値は95%にまで下がりました。
新通貨、ソベラノ・ボリバルは仮想通貨ペトロに連動しており、マドゥロ氏はペトロは国の法定通貨になるだろうと公表しています。
一方、闇市場では取引レートの計算が必要になります。
公式の両替レートはペトロのおかげでドルの60%に設定されていますが、闇市場ではさらに40%ほど低くなるとのことです。
それでもペトロの普及は難航
南米の国々はペトロを公式な通貨にする前に様々な用途を試しているようです。
今年の初めには、インドに対して原油の輸出の請求額をペトロで支払えば30%値引きすると提示しましたが、拒否されたとのことです。
ベネズエラのブロックチェーン監視機関のDaniel Peña氏は、4月の雑誌のインタビューでは、ペトロの影響は3〜6ヶ月で収まるだろうとコメントしていました。
ベネズエラは昨年後半に仮想通貨の発行を発表してから、物議を醸し続けてきました。
伝統あるシンクタンクのBrookings Instituteは、正当な仮想通貨の評判を傷つけているとし、ベネズエラの国会も違憲だと主張しています。
アメリカのトランプ大統領はアメリカ国民と国内居住者に対して、ペトロへの投資を禁止しています。
ペトロを巡って混乱が続くベネズエラ。大統領はどうにかペトロを通貨として浸透させたい考えですが、周辺諸国の見方は冷ややかなようです。
今後の動向にも注意が必要です。
参考サイト:
“https://www.ccn.com/venezuelas-central-bank-launches-android-app-to-convert-bolivars-to-petro-pegged-currency/”