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ベネズエラのNicolás Maduro大統領は、8月に仮想通貨に紐づく新しい通貨の流通を開始すると発表しました。
Sovereign Bolivar(ソブリン・ボリバル)という法定通貨を発行
新しい法定通貨はSovereign Bolivar(ソブリン・ボリバル)は、既存の通貨であるボリバル・フエルテから5桁切り下げとなっており、今年2月にベネズエラ政府が発行した石油価格に連動する仮想通貨ペトロ(PTR)に紐づいています。
Nicolás Maduro大統領は、新通貨発行について金融、ベネズエラの財政システムを調整する“抜本的な政策”とし、通貨切り換えとペトロとの紐づけは“生産的で多様性のある持続可能な経済モデル”の発展に向けた“大きな希望”であるとしています。
また、この措置はインフレや現金不足、またベネズエラ人にとって今や日常となったATMの長蛇の列の緩和にも役立つとしています。
Nicolás Maduro大統領はペトロ(PTR)については自信を表明し続けており、“最終的には技術的にも金融的にも強固なもの”になり、“国内外のすべての経済活動”に使われるようになるだろうと述べています。
経済学者、「この措置は何も解決しない」
一方で、通貨切換えは多くの経済専門家の批判を受けています。
地元メディアによると、経済学者のMaxim Ross氏は、「この措置は何も解決しない」と述べているそうです。
野党議員で経済学者のAngel Alvarado氏は「通貨の切り下げをしても何も改善はしないし、インフレにとっては有効ではない」とCBCNに語っています。
2016年後半から、ベネズエラではボリバル通貨の価値が急落しており、ベネズエラ人の間でビットコインを買い始める動きが広まりました。
様々な政策で仮想通貨が使用され始めている
最近、ベネズエラ政府はペトロ(PTR)を財源とする複数の社会事業を始めています。
6月初旬には住宅環境省が、ホームレスのための住居建設プログラムを表明しました。
また、5月には大統領が、若者や学生支援のための仮想通貨ペトロの銀行の立ち上げを発表しました。
ペトロに紐づいた新しい法定通貨の発行は多くの批判を浴びていますが、Maduro大統領は自信をもって政策を推進しています。
しかし、国民は自国の通貨を信頼することが出来ず、ビットコイン買いにつながっています。
今後のペトロの値動きには注意が必要です。
参考サイト
“https://cointelegraph.com/news/venezuela-s-new-petro-backed-national-currency-to-start-circulating-in-august”
“https://www.ccn.com/venezuela-to-launch-petro-pegged-fiat-currency-next-month/”