<この記事(ページ)は 8分で読めます>
古株のアルトコインをおさえて、一時期時価総額四位にまで躍り出たIOTA(アイオータ/MIOTA)。
その仕組みは、実はビットコインをはじめとする他の仮想通貨と大きく異なります。
そしてそれゆえに、大きく注目され期待されているのです。
今回はそんなIOTA(アイオータ/MIOTA)の仕組み、特徴、将来性、買い方についてはもちろん、IOTAのメリット・デメリットについても、わかりやすく徹底的に解説します。
仮想通貨のIOTA(アイオータ/MIOTA)とは?
アイオータは、IoT(Internet of Things、モノのインターネット化)の普及のために作られた仮想通貨です。
手数料が一切不要で、大量のマイクロトランザクションも処理することができます。
つまり、マイクロペイメントに特化しているのです。
まさにIoTのための仮想通貨だといえるでしょう。
IOTA(アイオータ)はプロジェクト自体を示す言葉であり、略号がMIOTAとなっています。
そもそもIoTとは?
IoTはInternet of Things、すなわち「モノのインターネット」を指す言葉です。
IT機器だけでなく、家や家電、クルマなど従来ではインターネットに接続しないようなものもインターネットにつなげるという取り組みです。
たとえば、冷蔵庫がインターネットにつながったら、足りなくなった食料品を自動で注文したり、消費期限をスマホなどで管理したりすることができるようになるかもしれません。
あらゆるものをネットにつなぐことについては、これまでハッキングのリスクがかなり大きな問題となっていました。
また、機械が自動で物を購入する際の最適な支払い方法もありませんでした。
IOTA(アイオータ)はそのような課題を解決し、IoTを実現するために生まれました。
IOTA(アイオータ/MIOTA)の特徴
IOTA(アイオータ/MIOTA)は、
①取引手数料がかからないこと
②ブロックサイズ問題が存在しないこと
などの特徴を持っています。まさに、マイクロペイメントに特化していることが特徴です。
IOTAがIoTに向いている理由はまさにここにあります。
たとえば先ほど述べたように機械が自動で物を購入するようになった時には、マイクロトランザクションがたくさん発生します。
このような場面でIOTAの活躍が期待されているのです。
また、セキュリティや匿名性が強固であるという特徴もあります。通常の仮想通貨よりもさらに改ざんが困難なのです。
また、他の通貨と異なる3進法を採用しており(通常は2進法)、トランザクション処理の効率化を図っています
これらの特徴は、IOTA独自の仕組みによってつくられています。
では、どのような仕組みなのでしょうか。
IOTA(アイオータ/MIOTA)の仕組み〜DAG型コインとは?
IOTA(アイオータ/MIOTA)の最も画期的な点は、ブロックチェーンが用いられていないことです。
では、どうやってトランザクションを承認し記録しているのでしょうか。
実は、IOTA(アイオータ/MIOTA)はDAG型コインの一種です。
(DAG型コインについて詳しく知りたい方は、記事「ブロックチェーンを使わない画期的なDAG型コインとは?」を参照してみてください。)
中でもIOTA(アイオータ)は、Tangle(タングル)という独自の技術を用いています。
取引情報が1本の鎖のように結びついているブロックチェーンと違い、Tangle(タングル)は網の目状に決済情報が結びつきます。
下の図を見るとわかるように、ある取引はその前の取引をいくつか承認することで成り立ち、そしてそれはまた他の複数の取引によって承認され、……。といったふうに、マイニングによってではなく、トランザクションの一つ一つが別の取引によって承認されて行きます。
つまり、マイニングが必要ないのです。
承認は以下のように三段階で行われます。
(1) 承認するトランザクションの電子署名の確認
(2) 承認するトランザクションが規定された仕様に従っているかの確認
(3) DAGグラフ上に二重支払いがないかの確認
この三点の確認を行うことで、取引が承認される仕組みになっています。
ただし、IOTAでは承認作業以外に、PoWの一般的な方式であるナンス値の計算が必要とされます。
作業内容としてはビットコインのマイニングとほぼ同じですが、その目的はブロックチェーンにおけるブロック生成ではなく、IOTAがスパム攻撃にさらされないようにすることです。
IOTAにおけるこのナンス値の計算をマイニングと呼ぶ人もいますが、ブロックを生成しているわけではないのでマイニングとは違います。
この作業はスパム耐性のため義務付けられた作業をこなした証拠という意味でPoW(Proof of Work)と呼ばれることもありますが、ビットコインにおけるコンセンサスアルゴリズムとしてのPoWとは意味合いが異なります。
IOTA(アイオータ/MIOTA)の価格・相場・チャート〜いくらで買える?
IOTAは2018年3月20日現在、時価総額約38億8000万ドルで10位にランクインしています。
現在1MIOTA=約140円(1.3ドル前後)で購入することができます。
現在価格はやや下降傾向にあるため、買い時であるといえます。
IOTA(アイオータ/MIOTA)のメリット
手数料が無料
IOTAはDAGアルゴリズムを採用しておりマイニングがないので、取引手数料が一切かかりません。
通常のブロックチェーン型のコインだと安価でも手数料がなくなることは基本的にないので、一切不要というのは非常に画期的ですね。
セキュリティが強固
IOTAのもう一つのメリットとして、セキュリティが強固なことがあげられます。
ブロックチェーンでは一定の間隔で限られた取引がブロック単位で承認されますが、Tangleではトランザクション単位で承認が行われます。そのため、取引が増加するほど安全性が向上します。
また、最近危惧されている量子コンピューターによるハッキングにも耐性を持っています。
量子コンピューターが実現すれば、コンピューターの計算速度が飛躍的に向上し、ブロックチェーンの安全性が失われてしまうのではないかと考えられています。
しかし、DAGを用いており(一回の承認にかかるコストが小さいため、量子コンピューターを使っても効率化されない)、かつ二進法で動く量子コンピューターと相性がいいとは言えない三進法を採用しているIOTAは、量子コンピューターに耐性があると言われています。
匿名性が高い
IOTAの取引では、アドレスが一回一回の取引についてその都度発行されるため、取引に用いられたアドレスから個人が特定されにくいという特徴も持っています。
スケーラビリティの問題がない
ブロックサイズ問題とも呼ばれるこの問題は、トランザクションの数が増加した際に起こる、マイニングの難度の上昇、承認までに要する時間の増加、そのために起こる取引手数料の高騰などの問題を指します。
例えばビットコインでは、この問題が原因でマイナーとコアデベロッパが対立しました。
IOTAにはブロックが存在しないので、スケーラビリティ問題は起こりません。
これは、仮想通貨では非常に画期的なことです。
IOTA(アイオータ/MIOTA)のデメリット
対応するウォレットが少ない
IOTAに対応しているウォレットは数が少ないです。
現在対応しているのは、取引所のものとIOTAの公式ウォレットのみになっています。
思わぬ問題が発生する可能性
ブロックチェーンに比べてまだ新しいDAGアルゴリズムにはまだ未知数のところが多く、思わぬ問題が発生する可能性があります。
また、IOTAは開発者が独自のハッシュ関数を書いているためそこに問題が発生する場合も想定できます。
例えば過去には、ハッシュ関数の弱点を衝いて電子署名の偽造ができたという報告がありました。
その弱点はただちに修正されましたが、今後同じような弱点が発見される可能性はゼロではありません。
3進法を用いている
取引処理の効率化を図って導入された三進法ですが、デジタルデバイスは基本的に全て二進法で動いているため、変換に余計なエネルギーがかかってしまう、互換性が小さいなどという指摘があります。
IOTA(アイオータ/MIOTA)が購入できる取引所・販売所は?
実はIOTAを取り扱っている有名取引所はそう多くないです。
その中では、海外取引所のバイナンス(Binance)がおすすめです。
手数料が非常に安価なだけでなく、大手取引所の中でも群を抜いて豊富な銘柄を取り扱っています。
IOTA(アイオータ/MIOTA)のウォレット・保管方法とは?
先ほど述べた公式のウォレットを紹介します。
日本語表示もありますので、日本人のわたしたちにも問題なく使えます。
登録は以下のURLからできます。
https://github.com/iotaledger/wallet/releases/
IOTA(アイオータ/MIOTA)の特徴や仕組み、メリットとデメリット、将来性についてのまとめ
DAGに基づいたTangleという独自の最新技術をもとに、手数料無料やスケーラビリティ問題解決といった画期的な特徴をいくつも併せ持ったIOTA。
解決すべき技術的課題もありますが、将来を大いに期待されているアルトコインです。
まさに、最新技術を駆使した未来の仮想通貨といえるでしょう。