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Coinbase(コインベース)という名前を聞いたことがありますか?
コインベースは、アメリカ・サンフランシスコを拠点とする米国最大の仮想通貨交換会社です。
2018年6月4日、コインベースが日本に進出するというニュースが発表されました。
これにより、今後、日本国内の仮想通貨取引所にとって強力なライバルになることは必至です。
今回は日本進出が報じられたコインベースについて詳しく調べてみました。
コインベースはどんな取引所なのか
コインベースは2012年、まだビットコインが有名になっていない時期に、仮想通貨の将来性に目を付けた世界最大手の民泊サービスサイト運営会社Airbnbの元エンジニアのBrian Armtrong氏と、ゴールドマンサックスの元トレーダーであるFred Ehrsam氏によって設立されました。
資本金1.17億ドル(130億円)、ユーザー数は1300万人以上を誇る、仮想通貨業界初のユニコーン企業としても知られています。
”ユニコーン企業”とは
上場せずに企業としての評価額が10億ドル(約1100億円)を超えたベンチャー企業を指し、その希少性からユニコーン企業を呼ばれています。
日本のユニコーン企業には、株式会社DMM.comやフリマアプリのメルカリなどが挙げられます。
コインベースの日本進出の背景
日本国内の仮想通貨投資家数は350万人と言われています。
海外の投資家に比べて売買頻度が高く、今後のさらなる成長も期待できる魅力的な市場に映っていることが考えられます。
コインベースは取得が難しいと言われているニューヨーク州仮想通貨交換業免許にあたるビットライセンスを取得しています。
今後は日本の法律を順守するため、年内には金融庁に仮想通貨交換業の登録を申請する方針です。
コインベースのサービス内容
コインベースのサービス内容は大きく3つに分けられます。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
仮想通貨販売所「Coinbase」・オンラインウォレットの運営
コインベースは会社名と同じ「Coinbase」という仮想通貨販売所を運営しています。
仮想通貨販売所はユーザーとコインベース間で仮想通貨の取引ができるサービスです。
オンラインウォレットの利用者は2000万人を超えており、まさにトップシェアを誇る販売所と言えます。
2018年6月現在はまだ、米国の銀行口座からのみの売買が可能ですが、仮想通貨の入出金はできるのでオンラインウォレットとしての利用は可能です。
購入方法としては、米国の銀行口座からの入金のか、クレジットカードでの入金もサポートしています。
取引所「GDAX」の運営
コインベースは「GDAX」という取引所を運営しています。
「GDAX」はユーザー間で仮想通貨取引はできるサービスです。
世界でトップ20に入る取引量を誇り、アメリカ最大の取引所として知られています。
事業者向けのオンライン決済サービス
事業者向けに顧客からの仮想通貨での支払いを簡単に受け付けることのできるツール「Coinbase Commerce」を提供しています。
コインベースコマースについてさらに詳しい情報はこちらから
https://bitcoinlab.jp/settlement/1230/
コインベースのメリット
コインベースを利用するメリットについて詳しく見ていきましょう。
セキュリティが強み
コインベースは資産のほとんどをコールドウォレットで管理しています。
コールドウォレットとは、インターネットから完全に切り離されたウォレットのことを指します。
顧客から預かっている資産のうちオンライン上で保管されているものは2%未満にとどめており、ほとんどはインターネットにつながっていないオフラインで管理されています。
また、ハッカーや内部スタッフによる盗難に備えた保険に加入しており、万が一被害にあった場合にも顧客の資産は保護されます。
コインベースが倒産した際にも、顧客の資産の全額返還を保証しています。
三菱東京UFJ銀行との提携による利便性
三菱東京UFJ銀行(MUFG)は、2016年7月に1000万ドル(10億円)を出資しています。
今後はMUFGとの連携をより一層強めていくことが予想され、日本人のニーズに合ったサービス展開が期待されています。
アプリのウォレット機能が使いやすい
コインベースはビットコインのアプリをリリースしていますが、このウォレット機能が完成度が高く非常に使いやすいと人気を集めています。
200万ダウンロードされ、10万以上のレビューがついていますが、4.4の高評価をつけています。
現在は日本のApp storeでの取り扱いは無いのでiPhoneユーザーは利用できませんが、アンドロイド版は利用可能ということです。
上記の通り、現在は日本からの売買取引はできませんがウォレット機能だけでも、利用してみる価値があるのではないでしょうか。
コインベースを利用する前に知っておきたいデメリット
手数料が高い
海外の有名な取引所の平均的な手数料が0.25%なのに対し、コインベースの売買数料は1%台とやや高めに設定されています。
アメリカの場合
支払い方法 | 手数料 |
米国の銀行口座 | 1.49%(最小0.15ドル) |
コインベースUSDウォレット | 1.49% |
クレジットカード・デビットカード | 3.99% |
アメリカ以外の国の場合
国名 | 通常の売買 | クレジット・デビットカードでの購入 | 銀行振込 |
オーストラリア | ― | 3.99% | ― |
カナダ | ― | 3.99% | ― |
ヨーロッパ | 1.49% | 3.99% | 入金:無料
出金:0.15ユーロ |
シンガポール | 1.49% | 3.99% | ― |
イギリス | 1.49% | 3.99% | 入金:無料
出金:0.15ユーロ |
前述で説明した、ハッキングや不正による有事に備えたセキュリティ強化のためのコストと考えれば一概に高いとは言えないのかもしれません。
まだ日本からは現在利用できない
前述にもありますが、コインベースは世界32か国で利用可能ですが、現時点ではまだ日本ンからの利用は開始されていません。
2018年6月に日本進出の発表があったばかりなので、年内に金融庁への仮想通貨交換業の申請がスムーズに完了すれば、2019年から日本からの利用も可能になるのではと期待されています。
現時点では、口座開設はできませんが、登録のみは可能なので興味のある方はお知らせメールを受け取るために登録しておくのもよいかもしれません。
利用者からの評価が低い
2017年から多くのユーザーから「アカウントにアクセスできない」「出金に時間がかかりすぎる」などの不満が、多数寄せられていることがBusiness Insiderなどにより報道されました。
2016年のユーザー数470万人から2017年には1170万人へ148%も急増したことで、顧客のニーズに対応しきれなくなっている要因として考えられます。
コインベースはこれを受けて、サポートチームの人数を150%増やすなどの対応をとっていますが、今後の対応には十分に注意が必要です。
ラインナップが少ない
現在、コインベースで取り扱われている通貨は下記の4種類のみです。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)
イーサリアム(Etherium/ETH)
ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)
ライトコイン(LiteCoin/LTC)
通貨ペアは下記の表を参照してください。
通貨 | 通貨ペア |
ビットコイン | BTC/USD
BTC/EUR BTC/GUP |
ビットコインキャッシュ | BCH/BTC
BCH/EUR BCH/USD |
イーサリアム | ETH/BTC
ETH/EUR ETH/USD |
ライトコイン | LTC/BTC
LTC/EUR LTC/USD |
多くの種類の仮想通貨を取引したい人には少しもの足りないかもしれません。
しかし、コインベースは取り扱い通貨に対して厳しい審査基準を設けており、ある意味では厳選した信頼のおける通貨のみを扱っていると言えます。
まとめ
コインベースはアメリカで最も歴史のある最大の取引所ということが分かりました。
取引通貨は少なめですが、セキュリティ重視で手数料は高めという特徴がありました。
ユーザーサポートの面では、ユーザーの急激な増加に追い付いていないという現状があり、まだ改善の必要がありそうです。
今回の日本進出を機にMUFGとの提携がスムーズに進めば、さらにほかの海外取引所も追随する可能性もでてきます。
世界でもその成長が注目されている仮想通貨市場へのコインベースの参入は、さらなる市場の活性化へ大きな影響をもたらしそうですね。