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世界最大の取引高を誇る仮想通貨取引所バイナンスが、インドの仮想通貨取引所WazirXを買収し、10億人とも言われるインドの巨大市場へ参入することを発表しました。
発表によると、2020年第1四半期までにWazirXの独自のオートマッチングエンジンをバイナンスのプラットフォームに統合するとのことです。
これにより、10億人を超える人口が仮想通貨市場に簡単にアクセスできるようになります。
バイナンスのユーザーは、ルピーでテザー(USDT)を直接購入することが可能で、バイナンスに上場している仮想通貨を取引できるようになるといいます。
バイナンスのCEOであるCZ氏は次のように述べています。
「インドの若い人口は新しい金融テロノロジーを構築、実用化することで優位に立つことになるだろう。私はインドがグローバルブロックチェーンの革新の中心となり、巨大な人口の力で仮想通貨の普及を躍進させると信じている。」
「WazirXの買収はインドの人々に経済的な自由のためにさらに前進させ、インドのブロックチェーンエコシステムを強化することにつながると考えている。」
バイナンスCFOのWei Zhou氏は次のように述べています。
「法定通貨と仮想通貨間の橋渡しをすることが我々の重要なミッションであると考えている。 この国の10億人以上の人々に、WazirXがシンプルで一貫した仮想通貨の購入手段を提供することが大きな役割を果たしてくれる。」
WazirXのCEOであるNieschal Shetty氏は、次のように述べています。
「仮想通貨普及の次のステージは世界の新興国の人々から始まるだろう。インドでは今まさに仮想通貨への大規模参入が起きようとしている。今回の統合は、インドだけでなく他の全ての新興国にチャンスを与えることになるだろう。」
インド政府の強硬姿勢
一方、インド政府の仮想通貨に対する姿勢は依然として強硬的です。
インドで2018年4月、インド中央銀行は、国内の仮想通貨産業に対して銀行との取引を禁止しました。これにより、KoinexやZebpayなどの国内の取引所のほとんどが閉鎖を強いられました。
一部の取引所は、生き残るため法定通貨との取引を避け、仮想通貨同士の取引に移行せざるを得ない状況となりました。
こうした中で、WazirXは、後者の戦略を展開し今年初めに仮想通貨間の取引とP2P取引サービスの提供を開始しました。
インド政府の仮想通貨全面禁止案はまだ政府の正式な方針として決定されておらず、現在も仮想通貨の禁止に反発する声も上がっているとのことです。
バイナンス 法定通貨取引サービスをグローバル展開
バイナンスは、法定通貨と仮想通貨の取引サービスのグローバル展開を推進しています。
今年9月には、米国でバイナンスUSを立ち上げ、ロシアルーブルやユーロなどの法定通貨との取引を拡大させています。
中国では人民元とのP2P取引を展開しています。
また、今月にもトルコリラのサポートを開始しており、さらにオーストラリアでも展開を進める計画を明らかにしています。