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買い手と売り手が直接取引をするOTC取引への買い注文が米国で殺到しているとのことです。
OTC取引とは
OTC取引とは”over the counter”の略で、店頭取引、相対取引と呼ばれています。
取引所を介さない取引や、証券会社の店頭で行う取引として認識されています。
OTC取引には大口投資を一括で行うことができることや、仲介者がいないためサーバーダウンなどの事態を回避できること、また取引に必要な事前の複雑な手続きが不要といったメリットがあります。
一方で、スプレッドが大きいため、少額取引には不利となるといったデメリットもあります。
買い手と売り手の比率逆転
OTC取引を手がける大手のCumberlandが、先週1週間で買い手と売り手の比率が逆転し、買い手が60%に達したことをツイッターで明らかにしました。
Genesis TradingのCEOである Michael Moro氏によると、2018年末には、多数の投資家の間で税金対策のために仮想通貨を売る動きが強かったが、年が明けてからはさらに多くの買い注文が殺到しているといいます。
OTCデスクには、毎日数十億ドルの仮想通貨取引の注文が、海外の機関投資家から入っているとのことです。
フィンテックのマーケティングコンサル企業であるTabb Groupのディレクターを務める Monica Summerville氏は、Forbesに次のように語っています。
「多くの仮装通貨取引所では、取引の限度額を設けているため、大口取引はOTC取引へ行くことになります。OTC市場は、KrakenやCoinbase、Binanceでの個人投資家の取引と比べるとおよそ2〜3倍もの規模になります。」
アジアやヨーロッパ、中東、アフリカからの投資家も
Galaxy Digital も潮目が変わったと語っています。
「Galaxyの取引デスクでは、年末にかけて税金対策の取引が活発であったが、1月に入ってからは、以前に売り払った資産の買い戻しの動きが主流となっている。さらに、アジアやヨーロッパ中東およびアフリカ地域の投資家からの買い注文も増加している。一方で売り注文は年明けにはひと段落したようだ。」
ニューヨークを拠点とするPaxosでも同様の現象が起きているとのことです。
PaxosのOTC取引デスクの責任者であるPaul Ciavardini氏は、今のところ新興国市場の投資家からの買い注文が主流になってきていると述べています。
アルトコイン、ステーブルコインへの関心高まる
Circle社のOTC取引部門でも、2018の12月には売り圧力が強かったが、2019年1月には逆転買い注文が逆転したといいます。
また、もう一つの動きとしてはアルトコインとステーブルコインの取引が2019年の第1週から活発になったとのことです。
OTCマーケットでは2019年の年明けを境に、投資家の動向に大きな変化があったようです。
2019年は機関投資家の参入の増加に期待できるかもしれません。
参考サイト:
”https://www.theblockcrypto.com/2019/01/08/bitcoin-bulls-are-storming-wall-streets-crypto-trading-desks/”