<この記事(ページ)は 4分で読めます>
シカゴを拠点とするフィンテックスタートアップのFinTankが米国内の仮想通貨自主規制団体(SRO)の立ち上げに向けて動き始めたことが明らかになりました。
CBOE (Chicago Board Options Exchange)の元トレーダーであるDavid Carman氏とパートナーのGearge Vukotich氏は、FinTankの自主規制団体(SRO)立ち上げは仮想通貨のグローバルな業界の規制に役立つだろうと述べています。
仮想通貨業界の多くが集結している米国での仮想通貨の自主規制団体(SRO)の設立は、世界の仮想通貨業界にインパクトを与えるものになることが予想されます。
いまだに不透明な仮想通貨業界
米国証券取引委員会(SEC)や米国先物取引委員会(CFTC)からの規制が過去3年間で、強化されたにも関わらず、明確なガイドラインが制定されておらず、米国仮想通貨業界は不透明な状態のままです。
SECはこれまで未登録証券を提供したとして、多くのICOの取締を強化してきましたが、リップルなどの証券とみなされる暗号資産については、まだ規制に乗り出していません。
Carman氏は次のように述べています。
「SECとCFTCの行動が、健全な規制環境を整備におけるSROの必要性を浮き彫りにした。」
SROは、従来の規制に変わって、特定の領域や隙間市場を本質的に規制することが可能になります。
FinTankは、現在の仮想通貨業界の2つの主要な課題の規制に取り組むとしています。
「現在は十分な規制が敷かれているとは言えない。スポットの海外取引については特にそうである。また、特にトークンの発行についての規制も明確さに欠けるため混乱を招いている。」
自主規制団体立ち上げは国家的事業
Carman氏は今回のSROの立ち上げは、シカゴの限定的な地域の取り組みではなく、国家的事業であると説明しています。
Carman氏は2019年3月、仮想通貨業界の多くの参加者を集めて、仮想通貨取引のハブとしてのシカゴの役割について話し合うための会合を開催しました。
Carman氏は、この会合の6ヶ月後に、SROの立ち上に注力すべきことが明確になったと述べ、イリノイ州が他の州に先駆けて規制のテストを行ったことについても言及しました。
Carman氏によるとイリノイ州は、フィンテックを導入する準備がまだ整っておらず、他の3つの委員会がSRO設立に向けて合併したとのことです。
SRO立ち上げに向けて、現在125以上のボランティアが参加を表明しているとのことです。
SECのCrypto Momも前向きな姿勢
SECの”Crypto Mom”と呼ばれているHester Peirc氏は、仮想通貨業界の規制について前向きな姿勢を示しているとのことです。
Carman氏は、今年初めにもPeirce氏と個人的に会合を行い、Pierce氏からのSRO関連の質問に回答したとのことです。
明確な規制とガイドラインが制定されない限り、仮想通貨は引き続き政府の作ったバリケードに直面し、成長が妨げられてしまうと考えられます。
しかし、仮想通貨業界とSECは最近、妥当な枠組みを探るべく歩み寄り始めているようです。