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大手仮想通貨取引所コインベース、カストディ企業キングダムトラスト、オルタナティブ資産投資会社リーガルアセットの3社は、仮想通貨での個人退職金口座(IRA)や米国版確定拠出年金(401K)の提供を開始すると発表しました。
コインベースからIRAと401k口座に直接アクセス可能に
IRAは個人退職勘定と呼ばれ、米国で最も一般的な退職後資金積立制度です。
金融機関に口座を持ち、一定額までの掛け金に対し税制優遇がある個人年金です。
また、401kは、雇用主が提供する確定拠出年金プランのことを示します。
コインベースの口座から、これらの新たな投資口座へ直接アクセスすることが可能になるとのことです。
投資できる仮想通貨は30銘柄を超え、ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、リップル、ステラだけでなくイオス、テゾス、ジリカなども取り扱うとのことです。
Chainlinkや、Makerなどのコインベースの上場銘柄への投資も可能です。
業界最安値 保険による保証対策も万全
コインベースは、業界最安値のコストでのサービス提供を宣言しています。
また、厳格な保険ポリシーを採用し、ロイズ・オブ・ロンドンが提供する保険により、不正アクセスや盗難の際の資金の保証も万全であるとしています。
ビットコインのIRAには2億ドルの保険がかけられているとのことです。
リーガルアセットのCEOである Tyler Gallager氏は次のように述べています。
「顧客はデジタル資産の選択や割り当てについてすべての判断を自身で選択することが可能です。また、アカウントマネージャーと連絡を取り、ガイダンスを受けることも可能です。」
Bloombergによるとリーガルアセットは、2017年に米国政府発行の仮想通貨取引ライセンスを初めて取得した企業です。
また、リーガルアセットは同年に幅広い仮想通貨の選択肢を提供するIRA口座を立ち上げた最初の企業でもあります。
Tyler Gallager氏は次のようにも述べています。
「従来のビットコインIRA口座や仮想通貨企業は、わずか数種類のデジタル資産の選択肢を提供することしかできてなかった上、それらを保証するサービスもなかった。
我々は今回の新たな改革により、米国内で最多のデジタル資産の選択肢を提供することが可能になった。」
「我々は、人々が仮想通貨IRAに多額の資金を投資することを嫌がる傾向にあることを理解しています。それゆえに、世界トップレベルの保険会社ロイズ・オブ・ロンドンと提携してすべての顧客の資産を完全に保証しています。」
米国最大手の仮想通貨企業による確定拠出年金や個人退職金口座向けのサービスが開始されました。
「人生100年時代」が指摘されている昨今、自分の老後資金は自分で準備しなければという意識の広まりと、世界経済の先行き不安などから、仮想通貨が老後資金の形成において重要なポートフォリオの一つとして普及する時代がまもなく到来するかもしれません。