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億万長者(ビリオネア)のティム・ドレイパー氏は、以前からテスラ、スペースX、コインベースやBaiduにも出資して来たブロックチェーン支持者としても知られています。
彼のベンチャーキャピタルDraper Associates(ドレイパー・アソシエイツ)は、ブロックチェーンスタートアップのAragaon(アラゴン)に、そのメインネットワークで使われるANTトークン100万ドル(約1億1000万円)分を購入してサポート表明するようです。
技術投資の世界においてはそれほど多くはない額ですが、まだ生まれたばかりのブロックチェーンの世界ではかなり多額の出資といえます。
アラゴンは事実上のインターネット裁判所を目指す
これまでブロックチェーンで実現できる応用例としては、金融、物流、管理など多くのジャンルで改革を起こしていますが、ブロックチェーンによる社会機構の改革の波は遂に、法律システムにも起ころうとしているようです。
アラゴンは2016年11月、起業家のルイス・クエンデとホルヘ・イスエルドによって設立されました。DAOを構成するのに必要なフレームワークやツールを提供しています。
DAO(Decentralized Autonomous Organization、自律分散型組織)は、読んで字のごとく、特定の管理者や主体もない分散型の組織です。
その組織内には階層構造もなく各人によって自律的に運営されているので、組織としてのガバナンスや何らかの意思決定およびその実行の際は、メンバーの合意により予め定められたルールに従って執行されます。
アラゴンは事実上の、いわゆるインターネット裁判所となることを目指しており、デジタル組織の管理ツールと紛争解決のオンラインサービスを提供する、このAragon Court(アラゴンコート)がそのバックボーンとなります。
(出典 https://aragon.org/en/network)
2018年後半のローンチ以来、アラゴンのプラットフォーム上に作成された組織は1000件を超えています。
またアラゴンは、過去にブロックチェーン使用の件でイーサリアムとの問題が発生した後、アラゴン専用ブロックチェーンであるAragon Chain(アラゴンチェーン)の発表もしました。
そして今回、ネットワーク上で論争解決を目指す、いわゆるデジタル裁判所Aragon Court(アラゴンコート)は、2月10日に運用がスタートしました。
既にプラットフォームにあるデジタル裁判所(法的管轄区)には、リアルワールド(実在世界)の人間247人の陪審員がいます。
彼らがアラゴンコートに参加する際、アラゴンのANTトークンがネットワークのガバナンスとして使われます。
アラゴンのデジタルコートシステムは、現在、メインネットで公開されています。
参加者は、プラットフォームのANTトークンまたはMakerDAOのステーブルコインDAIを使用して、紛争を解決するために投票または陪審員となることが出来ます。
また、チームは彼らのビジョンを説明するマニフェストも公開しています。
新しい裁判を毎日開くのは不可能
「我々はドレイパー氏と共に取り組んでいけることに非常に胸を躍らせています。新しい(デジタル)裁判所の構築にアドバイス出来るとしたらそれは、彼以外考えられません。」と、
ルイス・クエンデは述べています。以前、彼がビットコイン業界で立ち上げた企業もまたドレイパー氏によって支援されたものでした。
ドレイパー氏がアラゴンを支持するようになったのは最近のようですが、彼はこれまでも政府のイノベーション推進者であり、Six Californiasイニシアチブを立ち上げ、エストニアのeレジデンスプログラムに関わっている事で知られています。
そのようなイノベーションの投資家である彼が今後、アラゴンの諮問委員会にも加わり、プロジェクトのサポートを続けることになります。
「実際の裁判は毎日なんてできないが、アラゴンコート立ち上げによって、世界が変わる。」と、彼は述べています。