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イーサリアム財団に勤務するバージル・グリフィス氏が、北朝鮮で開催されたカンファレンスに参加し、経済制裁回避のための仮想通貨利用に関する知識を伝えた容疑で逮捕されたとのことです。
仮想通貨やブロックチェーンの知識 聴衆に伝える
グリフィス容疑者は渡航中止を求める警告を受けたにも関わらず、北朝鮮に赴き経済制裁回避に役立つブロックチェーン技術の利用方法を聴衆の前で伝えたとされており、国際緊急経済権限法違反に該当するとされます。
北朝鮮は4月に許可を得ることなく、平壌ブロックチェーン&カンファレンスに中国経由で参加したものと見られています。
FBIの訴状によると、北朝鮮のカンファレンスにおいてグリフィス容疑者と他の参加者は、ブロックチェーンや仮想通貨の技術を、マネーロンダリングや経済制裁回避にどのように利用できるか、また北朝鮮がこの技術を利用していかに国際的な銀行システムからの独立を実現できるかなどについて議論をしたとのことです。
宣誓供述書には、特定の仮想通貨の名前は挙げられておらず、グイフィス容疑者は「仮想通貨-1」と表されている仮想通貨についての専門知識を持つ者と記載されています。
また、グリフィス容疑者は、北朝鮮と韓国間における「仮想通貨-1」の取引を円滑に実施する計画をしていたとのことです。
グリフィス容疑者は、イーサリアム財団に2016年10月から勤務しており、特別プロジェクトの責任者を務めていました。
イーサリアム財団 「承認はしていない」
グリフィス氏の逮捕に関してイーサリアム財団が発表した声明文では以下のように述べられています。
「今回の北朝鮮でのイベントにおいて、グリフィス容疑者はいかなる立場でも当財団を代表しておらず、財団は、プライベートでの北朝鮮でのイベントへの渡航も承認したことはない」
仮想通貨や、ブロックチェーンと言った最先端の技術の知識を北朝鮮に与え、北朝鮮が経済制裁を回避し、不正に膨大な資金を調達することになれば、国際社会全体が危険にさらされる可能性も考えられます。
このような事例がさらにエスカレートする前に、国際的な規制の強化や厳罰化が急務とされます。