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仮想通貨Libraの計画を発表したFacebookは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)に対してビットライセンスの申請を行ったとのことです。
ビットライセンスとはニューヨーク州で仮想通貨事業を行う際に、NYDFSから取得しなければならない事業資格です。
英国、スイスなどの規制当局とも協議進める
Facebookの子会社であり、Libraの取引を手がけるCalibraは、ビットライセンスの他にも米国での送金サービスのライセンスの申請や米国金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)への登録を行っているとのことです。
英国の金融規制機関(FCA)やイングランド銀行、スイスの金融当局(FINMA)への接触も行っており、Libraの法令遵守についての協議を行っているとみられます。
Facebookの広報担当者は次のように述べています。
「現在進めている審査は、我々の想定していたもので歓迎している。我々はこのような話し合い、フィードバックを得るために早期にホワイトペーパーの公表を行った。」
Facebookはまた、主要なパートナー企業と共に、新しい仮想通貨を管理する機関をジュネーブに設置したとのことです。
Facebookは2020年の前半までにはシステム全体の立ち上げを計画しており、最終的にはローンなども含む幅広い金融サービスの提供を目指しているとのことです。
山積する課題
デジタル金融サービスの支援を手がけるAnthemisのチーフインベストメントオフィサーであるSean Park氏は、次のように述べています。
「Facebookはどこへ行ってもフリーパスを取得することはできない。グローバルな事業展開を目指すFacebookの意図から考えると、おそらく数千もしくは数百種類の異なる規制機関からのライセンスの取得が必要になる。」
また、中央銀行だけでなく市場の規制機関、消費者保護規制機関、マネーロンダリングや脱税、その他の金融犯罪の規制当局もFacebookが、これらの対策にどのように対応していくのかを注視しています。
米国上院の銀行委員会による個人情報保護に関する公聴会と下院金融サービス委員会による金融システムへの影響に関する公聴会は、それぞれ7月16日と7月17日に開かれる予定とのことです。
Facebookが仮想通貨Libraの発行計画を着々と推し進めています。
しかし、法規制や各国でのライセンス取得など、クリアしなければならない問題が山積しているようです。
計画通りにLibraの発行まで漕ぎつけることができるのか、今後のFacebookには引き続き注目が集まります。