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Facebookのグローバルコイン、Libra開発のニュースは、今週水曜日(現地時間6月19日)に正式発表される前から方々で噂がもちきりでした。
しかし、Facebookの正式発表をするやいなや、米国下院はすぐにLibara開発を中止するよう求めて、上院銀行委員会(US Senate Baking Committee)からは、7月16日に開く公聴会に諮問される事態になりました。
Facebookの世界に与える影響力の大きさ
このプロジェクトへの出資参画している企業も有名なところばかりで、VisaやMastercardなどのクレジット決済会社を始めとして、30社ほどが既に名をあげていました。
Facebookユーザーが世界中の人口のどれほどを占めているかを考えたら、その影響力は想像に容易いことですが、いわゆるSNS発信の仮想通貨は今に始まったことではありません。何故こんなにウォール街や世界が騒ぐのでしょうか。
銀行委員会のトップ、民主党議員であるSherrod Brown上院議員は、Facebookのユーザー情報の漏洩事件を取り上げて、このプロジェクトに対しても懐疑的な見方をしているようです。
この公聴会の証人が誰になるのかは未定のようですが、Facebookブロックチェーンに尽力しているDavid Marcus氏になる可能性が高そうです。
Libraは法定通貨ペッグ、価格変動を最小限に抑える低ボラティリティ・・・
Libraは専用ウォレットのみならず、FacebookおよびMessengerやWhatsAppなどでも使える仮想通貨(暗号資産)です。主な用途は、送金手段ということです。
仮想通貨といってもビットコインなどのような投機手段となっているコインと違って、法定通貨と一定比率で交換できる、いわゆるステーブルコインを予定しています。
(画像はFacebook公式アカウントの6月18日の投稿より)
ただ、Libraは新しいデジタルトークンとしてリリースされる迄にはやるべきことが多くあり、来年までその予定はない、とFacebookは述べています。
確かに、まだまだすべきことが多そうです。テレビでも新聞でも、Libraにブロックチェーンが本当に必要なのかとか、Libraのホワイトペーパーには懐疑的だとか、法律に照らし合わせると採用すべきかどうかなど、セキュリティ面での物議にも発展しています。
Libraは2020年にリリース予定
FacebookのSandberg氏は先日、Libra開発はまだ初期段階であって、まだ開発を正式に公表しただけだと説明しています。
また、このプロジェクトが踏み入れている領域が厳しく規制されているものであることをよく理解していると述べ、その関係者とよく協議をする必要があることは承知の上であり、既に着手している事だと話しました。
2020年にローンチ予定だというLibraですが、SNSではトップのユーザー数(現在31億人)を世界に抱えるだけあって、既存の消費者と企業との間に利用されたら世界規模での影響は計り知れません。
ましてや、銀行口座を持たない消費者に初めての金融サービス提供を可能にするとなれば、銀行サイドが穏やかでないのは当然の動きです。
Libraを排除しようとする動きも
実際に、インドでは来年になってLibraがリリースされても法律で禁止すると報道されています。
また、オーストラリア準備銀行(RBA)でもLibraがステーブルコインとして広く使われるようになる事には現実味がないと結論づけています。
SWIFT(国際銀行間金融通信協会)も分散型台帳R3コンソーシアムとの提携をするなど、従来の送金システムの悪評を改善するべく努力しているところですが、Facebookのように既に世界的ネットワークのあるところに、Libraを通した送金システムが構築されるようなことになれば、たちまち打撃を受けることは明らかと言われています。
レガシーシステムの崩壊が起こる時は、いつの時代も抵抗勢力が立ちはだかるものです。ビットコインもこの10年で大きな物議をかもしてきましたが、信頼を得るまでにはそれなりの年数と経験が必用だと学んでいます。
このLibraも、新たな金融システムを構築していくテクノロジーの一つとなるのでしょうか。