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山のように立ちはだかる政府による意義反論に、「リブラは決して日の目を見ることはないだろう」と言われているようだ、と最新の四半期報告書でFacebookは投資家に警告しました。
発表までの1年間で多くの噂に取り巻かれ、6月に開発の公表をしてからは、さらに世界中の国々を巻き込んで物議をかもしているLibra(リブラ)は、7月には上院議員によるCEOへのヒアリングなどがニュースとなりました。
来年2020年の上旬には発売予定とされているリブラの今後の進捗はどうなるのでしょうか。
リブラは市場に出る前に葬られるかもしれない
リブラが市場に出るまでには何十か国にもわたる規制上の障害が山積しています。
これまでのところ、Facebookの大胆な発明に対する規制当局の反応は非常に冷たく、Facebook自身もこのプロジェクトを実行できるのか疑問を投げかけ始めています。
「リブラは、比較的新しくてまだ実証されていない技術に基づいており、デジタル通貨を取り巻く法律や規制は不確実であり進化途中です。リブラは政府や規制当局から複数の法域で重大な精査を受けています。まだこの精査は続くと見ています。」
と、SECの報告書でFacebookはこのように述べました。さらに続けて、
「多くの国ではこれらの法規制の適用や解釈、特にブロックチェーンやデジタル通貨に適用される発展途中の法規制については明確ではありません。同時に、それらに関連する問い合わせや調査などが多ければ、リブラ通貨の発売が遅れたり妨げられたりする可能性があります。さらには、このような通貨がマーケットに受け入れられるかどうかはかなり不確実になりがちです。従って、リブラや我々の関連製品およびサービスが予定通りに利用可能になるという保証はあり得ませんし、まったく無いともいえます。」
と、述べています。
リブラプロジェクトは銀行業なのか、そうでないのか?
リブラに関する政治家たちの主な懸念は、Facebookが持つ世界24億人のユーザーがリブラを容易に手にできる事、それが国境を越えたマネーロンダリングやその他の犯罪の避難所を作り出す可能性があるということです。
先月の公聴会でEd Perlmutter 議員はFacebookのクリプトプロジェクトの代表であるマーカス氏(David Marcus)にこう発言しました。
「政府はリブラを銀行だと考えていますが、あなた方は銀行とは違うと言います。もし銀行であるなら、我々はあなた方を規制します。つまり、あなたが感じている(法規制による)抵抗とはそういうことなのです。」
それに対して、Facebook側はリブラはリブラ・アソシエーションという独立した監督委員会に基づくプロジェクトであると異議を唱えました。
リブラ・アソシエーションには、Facebookだけでなく、Visaやマスターカード、ウーバー、Stripe、Booking.comや、複数の金融機関から構成されています。
マーカス氏はまた、リブラを通じて生成された膨大な量のユーザー情報は法執行機関に役立つ可能性があると強く主張し、政府がFacebookの情報に必要ならばアクセス可能であることを示唆しました。
予定通りの立ち上げを実現するまでに1年を切っていますが、リブラ通貨の発行はこれらの問題をクリアするまで実現しない見通しです。
暗号通貨の支持者にとっては賛否両論のプロジェクトですが、世界経済が影響を受ける可能性のあるケースなだけに、引き続き、今後の展開に注意が必要です。