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15日、ジョージ.W.ブッシュ第43代元大統領の弟、ニール・ブッシュ氏が「OneCoin」(ワンコイン)という仮想通貨スキャム運営者より30万ドルを受け取っていた可能性があると、裁判所の文書公開によって判明しました。
詐欺プロジェクトとして知られる「OneCoin」(ワンコイン)
ポンジスキームを行っていた
「OneCoin」(ワンコイン)は2014年にブルガリアで設立され、詐欺事件を度々起こしていたことで知られています。
まず、仮想通貨のポンジスキームを行って不正に資金を集めていました。
ポンジスキームとは、「『出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に還元する』などと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加させる別の出資者から新たに集めたお金を(やはり運用せず)以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用が行われ利益が生まれてそれが配当されているかのように装うもののこと」です。
ねずみ講のようなシステムで世界中で出資者を増やし、「OneCoin」(ワンコイン)はポンジスキームを通じて4000億円近くを集めたとされています。
関与した人物
「OneCoin」(ワンコイン)の運営者であるルジャ・イグナトヴァ容疑者は現在逃亡中で、その兄弟で共同運営者のコンスタンチン・イグナトフ氏は現在服役中です。
さらに、2018年9月には、マーク・スコット氏という人物が「OneCoin」(ワンコイン)を通じて巨額のマネーロンダリングを行ったとして裁判を受けています。
ニール・ブッシュ氏との接点
マーク・スコット氏は、「OneCoin」(ワンコイン)の運営者であるルジャ・イグナトヴァ容疑者(現在逃亡中)とコンスタンチン・イグナトフ氏とと共謀したと見られています。
しかし、スコット被告の代理人のデブリン・ブラウン氏は、大統領一家のニール・ブッシュ氏の存在を挙げて、それを否定しています。
ブラウン氏は、スコット氏は「OneCoin」(ワンコイン)が詐欺プロジェクトだとは知らなかったと主張し、その根拠としてニール・ブッシュ氏とルジャ・イグナトヴァ容疑者及びコンスタンチン・イグナフ氏の間に関係があったからだと述べています。
大統領一家のニール・ブッシュ氏も関与しているのであれば安心できると考えたとのことです。
さらに、ブラウン氏は、ニール・ブッシュ氏とルジャ・イグナトヴァ容疑者及びコンスタンチン・イグナトフ氏は面会しており、その際に、ルジャ・イグナトヴァ容疑者がニール・ブッシュ氏に30万ドルを渡していたと証言しました。
ニール・ブッシュ氏は、自身が幹部を務めるホイフ・エナジーの会議に出席するために同社社長が拠点とする香港を訪れており、その際にルジャ・イグナトヴァ容疑者と接点を持ったと見られています
FBIがブラウン氏に対して行った調査によると、ニール・ブッシュ氏が「OneCoin」(ワンコイン)が関与する仮想通貨取引で生じた利益の10%を受け取ることになっていたとの情報があります。
まとめ
この一連の調査が事実であれば、アメリカ大統領一家の一員が仮想通貨スキャムに関わっていたという大きな問題になります。
裁判の行方に注目しましょう。