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英国では、10月31日に期日が迫るブレグジットをめぐり迷走状態が続いています。
混乱する英国の政治情勢
ボリス・ジョンソン首相は、離脱を強行する姿勢を改めて強調しており、EUからの合意協定なしの強硬離脱「ハードブレグジット」の可能性が高まっています。
ジョンソン首相は期日までに英国をEUから合意の有無にかかわらず離脱させると主張する一方、
下院は4日、野党が提出したブレグジット延期法案を可決しました。
今後は上院で審議される見通しです。
ジョンソン首相は、上院でブレグジット延期法案が可決した場合、解散総選挙を行う可能性も示唆しています。
ポンドは下落、ビットコインは着実に成長
英大手メディアIndependentによると、今回の混乱を受け下落するポンドとは対象的に、ビットコインは堅調な成長を見せていると伝えています。
執筆時点でビットコインは1万500ドル付近で取引されており、先週から8.36%上昇しました。
一方ポンドは、昨日の取引で一時1.20ドルを下回り、1985年以来の水準の下落を記録しました。
現在は、少し戻しており1.23ドル付近で取引されています。
出典:https://www.bbc.com/news/business-49562307
Markets.comのチーフマーケットアナリストのNeil Wilson氏は次のように述べています。
「もし解散総選挙が行われればポンドの展望は更に悪くなるし、合意なき離脱となれば確実に事態を悪化させるだろう。
ビットコイン価格のボラティリティは確かに大きいが、2019年を通してみると着実に成長していることがわかる。
ビットコインは今年に入って3倍近く成長しており、まだ徐々に史上最最高値の20000ドルを目指している途中である。
ブレグジットと米中貿易戦争の関税による経済的なダメージが重なり、ビットコイン価格を押し上げることになるだろう。」
合意なきブレグジットはビットコイン価格を押し上げる
また、ブロックチェーン企業CommerceBlockのCEOであるNicholas Gregory氏は、次のように述べています。
「グローバル経済の不安要素の拡大のおかげで、ビットコインは2019年に再認識されることになるだろう。合意なきブレグジットは莫大な前例のない高騰を引き起こす可能性がある。」
「合意なきブレグジットは、2つの大国の主要法定通貨のボラティリティを高めるだけでなく、世界の主要法定通貨の脆弱性を露呈することになり、グローバル金融システムが危機にさらされるだろう。」
合意なきブレグジットによる経済の混乱は、ビットコイン価格にとって追い風になる可能性があるようですが、グローバル金融システムにとっては危機的な状況を招きかねないとのことです。
迷走する英国の動向には、今後も注意が必要です。