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米国の内国歳入庁(IRS)は、仮想通貨保有者に対する納税ガイダンスを発表しました。
IRSの委員会メンバーの一人である Charles Rettig氏によると、2019年5月からIRSはガイダンスの更新のために取り組んできたとのことです。
2014年に発表されたガイダンスは多くの疑問に未回答のままで仮想通貨市場はそれからより複雑な成長を遂げています。
会計基準が明確化する一方批判の声も
今回発表されたガイダンスでは、仮想通貨のフォークによって生じる課税について、また、収入として受け取った仮想通貨の評価の方法、そして税金の仮想通貨を売った際の課税対象利益の計算方法についてなどが盛り込まれています。
仮想通貨シンクタンクのCoinCenterは、会計基準が明確になった点を良い点として評価する一方で、悪い点としてハードフォークが起きるたびに所得税が課せられることになることを説明しています。
ハードフォークのたびに納税義務が発生
ビットコインキャッシュやイーサリアムのようにハードフォークが起きるたびに納税義務が発生するため、納税者にとっては不利な点と言えます。
ハードフォークによって生まれた新しい仮想通貨がアドレスに渡った瞬間に、そのアドレスの保有者に納税義務が発生するとのことです。
またエアドロップに対しても同じ理由が適用されるため、アカウント保有者の知らないうちに誰かがエアドロップで仮想通貨を配布し、その瞬間に納税義務を課せられてしまうことが起こりうるとのことです。
CoinCenterは、納税義務の発生条件を、アドレスの管理権限だけでなくこの権限を行使するときにすべきであると提案しています。
そうでないと、ビットコインやイーサリアムを管理する秘密鍵を持っているだけにも関わらず、仮想通貨を受け取ったことにも気づかないうちに課税されているといった事態を招くと指摘しています。
また、ハードフォークによって新たな仮想通貨を取得できるという本来のインセンティブに対する意欲が削がれることも懸念しています。