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自民党の中山のりひろ氏は、米国連邦準備理事会(FRB)に日銀などを含む他の中央銀行との共同研究に参加し、パートナーシップを強化することを望むと述べました。
中国が開発を進めているデジタル人民元に対抗することが狙いとしています。
米国との協力不可欠
中山氏は、中国のデジタル人民元は「従来のグローバル社会の法定通貨システムと法定通貨の覇権への挑戦であるとしています。
「米国との協力なしでは、既存の準備通貨と国際決済システムに対する中国の姿勢に対抗することはできない。」
出典:SWIFT
デジタル人民元とLibraの影響はグローバルに影響
中山氏は、デジタル人民元が今年後半に発行された後に、日本の法規制に及ぼす影響に懸念を示しました。
デジタル通貨がどのように機能するか、また中国のデジタル人民元計画とFacebookのLibraプロジェクトが与えるであろう影響を警戒して、世界中の中央銀行が研究を急いでいます。
中山氏は次のように、述べています。
「中国は140億人の人口を有しており、中国が掲げる一帯一路構想の中だけで考えてもデジタル人民元がデジタル経済の中でスタンダードな通貨として君臨する可能性が高いと考えられます。」
一帯一路構想とは、習近平国家首席によって2013年に初めて打ち出された経済成長を目指す構想です。
具体的には、アジアとヨーロッパを陸路と海上航路で繋ぐ物流ルートを整備することで貿易の活性化とを図り、経済成長につなげようとするものです。
中山氏はさらに、次のように指摘しました。
「中国はすでにアフリカ地域への経済進出による大きな影響力を築いています。デジタル人民元がアフリカで一挙に流通する前に、デジタル人民元に対抗する技術的なノウハウと許容力を持っていることをアピールしていく必要があります。」
日本の経済的影響力も損なわれる可能性あり
日本銀行の前金融決済責任者である山本氏もまた、デジタル人民元の影響で日本の中国に対する影響力が衰えることが懸念されると指摘しています。
「もしデジタル人民元が円よりも広く普及すれば日本の経済力と影響力は中長期的に減退していくだろう。」
また、中山氏はFacebookのLibraに対しても、中央銀行の金融政策の効果を減らしてしまう恐れがあるとの警戒感を示しました。
日本銀行は先日末に中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行に向けて欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行、国際決済銀行(BIS)などとの共同研究を実施するチームの立ち上げを発表しています。
FRBはこの共同研究には参加していませんでした。
昨日、FRBのラエル・ブレナード理事はFRBがデジタルドルの実現の可能性を研究していることを明らかにしました。