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スイス証券取引所の運営者SIX Groupは、スイス中央銀行(スイス国立銀行 SNB)と提携して、中央銀行のデジタルマネー(CBDC)を介したトークン資産決済を実現する可能性を調査している、と今週火曜日に述べました。
スイスの中央銀行が、スイス証券(株式)取引所と共同で、中央銀行デジタル通貨を取引に使用する概念実証をしている模様です。
この概念実証には、SIXの子会社であるSIX Digital Exchange(SDX)のプラットフォームを使って、中央銀行デジタルマネーをDLTプラットフォームに統合するための技術的可能性を模索します。
また、SNBが発行するスイスフランのデジタル化の調査も含まれます。
世界の中央銀行の総意、BISが提携するハブセンター
この調査は、世界最大の58か国の中央銀行からなる国際決済銀行(BIS)との提携のうえで、SNBが設立したBISイノベーション・ハブ・センターで実施されます。
同じく火曜日に両者の間で締結が交わされています。
これまで、SIXはブロックチェーンを利用するデジタル取引、発行や決済について取り組んで来ました。
先日は、スイスフラン建ての暗号通貨ETPをリストアップしたばかりです。
この調査で、大きな焦点となるのは、株式や債券などの従来アセットの「トークン化」です。
といっても、必然的にこのような証券のデジタルバージョンを作ることになります。
トークン化により、ひとつの取引を完了するのにかかる時間を減らす、数日もかかっているところから数秒以下に減らすことになるでしょう、と主張しています。
この調査では、中央銀行デジタル通貨(CDBC)が使用されます。
世界の中央銀行のデジタルマネー化へのステップ
Facebookによるデジタルマネーの脅威は、今年になって米国をはじめ世界の中央機関に新たなステップを確実に踏み出すと決意させる、大きな切っ掛けになっているようです。
先日は、中国でも自国の独自コインがリリース間近だと報道されました。
中央銀行デジタルマネーが利用可能になる未来は非常に重要だと、SIXの首脳陣も口をそろえています。
そんななか、バンク・オブ・イングランドの頭取Mark Carney氏は先日、米ドルの代替デジタル通貨を世界の準備通貨にしてはどうかと提案したという報道もありました。
ビットコイン誕生から10年余りで、世界の標準通貨の在り方にこれほどまでに影響を与えているそのテクノロジーとシナリオに改めて感心します。