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ICOを禁止する国が目立つ時世ですが、タイではICOを審査して金融犯罪に対して投資家を守ろうとしています。
日本は世界でもいち早く仮想通貨(暗号通貨)に関して取引所の法規制を敷いた国でもありますが、親日のタイでも同様の動きが広まっているようです。
タイ政府承認のICOポータルサイトで選定は安心
バンコクポストの報道によると、タイの証券取引委員会(SEC)はタイで初のICOポータルを承認したということです。
このポータルの目的は、投資家を詐欺投資から保護することで、ICOの審査はもちろん、プロジェクトのEDCC(スマートコントラクトなど)のソースコードを検証し、金融犯罪に対抗するため顧客の本人確認処理を実行します。
ホワイトペーパーを読んだり、ロードマップを確認したりと、素人ではなかなか見抜きづらいICOの信憑性についても、このポータルサイトをチェックすればICOの合法性を確認することができるというものです。
証券やその他資産のトークン化ライセンス取得企業も現実に!?
現時点では、このポータルは主にICOの金融業界を統制するためのものであり、セキュリティ・トークンのSTOを発行しようとしているものではないようです。
STOや証券のトークン化は一般的には、政府の証券取引法の下で個別に規制されています。
しかし、タイ政府のSECが、証券やその他のアセットをトークン化するライセンスを企業が取得するための摘要基準を作成しているということも注目されています。
わずか2,3か月前にタイでは、国家立法会議で株式と債券のトークン化を可能にする証券取引法の改正を承認したばかりです。
ちなみにそれ以前は、現物証明書を持たない証券の取引や保有に関して許可されていたのは、タイ証券取引所の子会社であるThailand Securites Depository Co Ltd.でした。
最近、タイの暗号通貨関連企業は金融当局から法規制面で良いニュースを相当貰っています。
昨年8月には、7つの暗号通貨取引所が事業の継続を許可され、今年1月までには、4つの取引所がデジタル資産ビジネスライセンスを認められています。
ICOポータルの運営会社
今回のICOポータルは7,8社がタイSECとポータル運営について話し合っているようですが、運営者として選ばれたのは無名の外国企業1社のみだということです。
ICOに関心のある投資家にとってその選択肢はまだまだ狭いかもしれません。
現に、昨年7月にはタイSECはICO発行に関しては、タイバーツ、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、イーサリアムクラシック、ライトコイン、リップル、そしてステラに限定すると発表しました。
さらに、今年2月までには暗号通貨のリストがビットコイン、イーサリアム、リップルとステラに絞られました。
無法地帯だったICOマーケットに規制のメスが入り、世界を巻き込む金融の大きな損失を招かないよう、投資家保護に向けて動きだしている現状です。