<この記事(ページ)は 3分で読めます>
マネーロンダリング対策など国際協調を推進する政府間機関「金融活動作業部会(FATF)」は、仮想通貨取引所の規制について、今まで拘束力を持たなかった「ガイドライン」から、加盟国への義務とする「拘束的基準」への引き上げを検討し始めているようです。
早速、定例会合に着手し、遅くとも2019年中には実現させる見通しになっています。
仮想通貨取引所の規制は遂にFATFで足並みをそろえる方向へ
FATFは2015年6月に仮想通貨取引所の規制に関するガイドラインを公表し、それに従って、取引所の登録制またはライセンス制の導入、マネーロンダリング防止のための顧客の身元確認や疑わしい取引の届け出、記録の保存義務を求めていました。
日本は、FATF に加盟する37か国の中でも世界で初めて、2017年に仮想通貨取引所の登録制を導入したことは周知のとおりです。
しかし、これらのFATFのガイダンスは加盟国に対し強制力を持たなかったため、現在に至るまで、各国の仮想通貨取引所の規制にはばらつきがあります。
この3年前のガイダンスを踏まえ、今回の会合では、これらのルールが現状に適切かどうか、主に金融機関への適用を念頭に置く「基準」を新規取引所に適応できるのか、さらに仮想通貨取引を禁止した国へはどのように対応するのか、といったことを中心に議論していく予定になっています。
仮想通貨規制で日本が示せる経験と対策
日本政府は過去にFATFのガイダンスを基に規制を導入した経緯や2020年にG20議長を務めることから、この議論をリードし、遅くとも2019年までには新たに拘束性を持つ「基準」への格上げの実現化を目指しています。
日本政府は欧米の各国政府の協力を得ることができると考えているようです。
今回のFATFの動きには、今年3月のG20財務相・中央銀行総裁会議の共同声明に基準の見直し要請が明記された、という背景があります。
当時は各国の見解の相違などから当面見送るという方針になっていましたが、とうとう本格的に取り決めを行う流れになりました。
今後、FATF加盟国共通の規制が義務化された場合、仮想通貨業界初のグローバル規制としてどのような影響をもたらすのか、今から非常に期待が寄せられています。
参考サイト:
https://japantoday.com/category/crime/Financial-crime-task-force-eyes-binding-cryptoexchange-rules
https://jp.reuters.com/article/cryptocurrency-fatf-idJPKBN1J80J0
https://jp.cointelegraph.com/news/fatf-going-to-be-make-crypto-restriction-standard-instead-of-guidance
【こちらの記事もおすすめです】