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ライトニングネットワークはビットコインの救世主となるか②?本当の将来性

2018.02.07
ライトニングネットワークの仕組みと将来性

<この記事(ページ)は 5分で読めます>

ライトニングネットワークの仕組みがわかったところで、その開発状況はどうなっているのか、本当に実現する可能性があるのかどうか、その実態を探ってみましょう。

ライトニングネットワークの開発状況

以前からアップデートの滞っていたライトニングネットワークですが、実は2017年の12月にブロックストリーム社を始めとする3社が合同でライトニングネットワークの試験を行いました。その結果、各社の開発したノードを経由してビットコインを送金することに成功しました。

現在は、まだテスト段階ですが、ライトニングネットワークを利用した送金が実現しています。そのネットワークの様子をこのサイトで見ることができます。

開発会社のブロックストリーム社では、ライトニングネットワークで決済できる実験的なオンラインショップを立ち上げ、4点だけですが実際にグッズを売るところまで実現させています。購入に手数料は一切かかりませんし、販売するショップ側も、従来のようにクレジットカード会社に手数料を支払うことがないため、大きなメリットがあります。

ちなみに、このオンラインショップで買い物するためには、ライトニングネットワーク対応ウォレット「エクレア」(アンドロイド版のみ)が必要です。まだ試験版で、表示されている「mBTC」という単位は、1000分の1BTC、つまり1mBTC=0.001BTCとなります。

ライトニングネットワークのメリット

それでは、ライトニングネットワークのメリットをまとめてみましょう。

承認速度が速い

ライトニングネットワーク上での取引では、マイニングを必要としないため、送金を瞬時に行うことができます。

取引手数料が無料

ライトニングネットワーク上での取引は、マイナーによる承認を受けないため取引手数料は不要なので、オンラインショップなどでの利用拡大が期待できます。

ただし、ペイメントチャネルの開設・閉鎖にはメインのブロックチェーンの手数料がかかります。そのため、例えばビットコインがさらに高騰すれば、その手数料は高額になり、その負担をライトニングネットワーク内で消化できるかが問題になるかもしれません。

スケーラブルである

何度も取引を行うようなノードの間でペイメントチャネルが開設されると、メインのブロックチェーン上での取引量が減少するためビットコインの送金詰まりが緩和されます。

取引所の送金手数料が無料に?

仮想通貨の取引所の間でペイメントチャネルが開設されると、送金手数料が無料か、少なくとも安くなることが期待できます。しかし、取引所の手数料収入の減少に直結するため、取引所が積極的にライトニングネットワークを採用しようとしない可能性もあります。

ライトニングネットワークの課題

次に、ライトニングネットワークの課題をみてみましょう。

普及するめどが立っていない

実証試験では成功しているライトニングネットワークですが、残念ながら広く普及するめどは立っていません。普及するには数多くのウォレットや取引所の対応が必要ですが、それには相当な時間がかかりそうです。

つまり、その実現まではビットコインの「使いづらい通貨」の状態が相変わらず続くことになります。それまでに他の仮想通貨に立場を取って代わられることも考えられます。

利用者がいない

たとえライトニングネットワークの普及が実現しても、実際の支払いにビットコインを使おうとする人が出てくるのか非常に疑問です。なぜなら、ビットコインの値上がりが続いている限り、決済に使用するよりも保持することを選ぶ人が多くなるからです。

ビットコインの値動きが安定し、「誰もが安心して使用できる安定した通貨」にならないと、ビットコインで支払いをしようとする利用者は現れないでしょう。この利用者不在こそが、ライトニングネットワークの一番の問題といえます。

セキュリティの問題

ライトニングネットワークが便利なものとして機能するには、十分な額のビットコインがデポジットされる必要があるので、おそらくネットショップなどの小売事業者から普及していくものと考えられます。しかし、メインチェーンの堅牢性がないオフチェーンには、多額のビットコインをどのくらいの期間デポジットできるのか、その間のセキュリティは脅かされないのかという問題があります。この課題が解決されるまで、大きな金額のデポジットは安心できないでしょう。

中央集権化が避けられない

ライトニングネットワークが普及するにしたがい、ペイメントチャネルの中継点には大きなハブができます。業者や取引所がハブになることでネットワークは格段に便利になり、拡大していくことでしょう。

その一方で、ハブの中央集権化が避けられず、分散型であるはずのビットコインの利点が損なわれる恐れがあります。手数料の安さを重視するなら問題ではないかもしれませんが、ビットコインを使う動機がビットコインの非中央集権性にあれば、強力なハブの出現は見過ごせないものになるでしょう。

ライトニングネットワークの将来性

瞬時に無料で小額決済できるライトニングネットワーク。その実現によって、私たち利用者は大きな恩恵を受けることになるでしょう。

その一方で、多くの課題が残されていることも事実です。ビットコインの値上がりが続く限り、通貨としての安定性は望めず、ビットコインは「保持する投資対象」であって、「支払いに使う通貨」にはなりにくいでしょう。おまけに、ビットコインの値上がりが止まれば、ビットコインを使おうとする人が減る可能性さえ出てきます。

ビットコインの上昇と、通貨としての安定性はトレードオフ。その両立は望めないといえるのではないでしょうか。

 

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