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香港は来月からブロックチェーンベースの金融貿易を開始する予定

2018.07.23
香港 ブロックチェーン

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香港中央銀行により、来月ブロックチェーンベースの貿易金融プラットフォームを開始する見通しであることが発表されました。

これは、香港金融管理局(HKMA)と中国最大級の保険会社Ping Anの提携開発によるもので、香港証券先物取引委員会(SFC)の支援を受けて実装される最初のプロジェクトにあたります。

最大規模に

今まで様々な銀行関係のプラットフォームが稼働してきましたが、今回はその中でも最大規模であると言われています。

また、今回の運用にはHSBCやスタンダードチャータード銀行をはじめとした21行が協力予定となっています。

銀行と貿易金融のためのプロジェクト

現在の世界貿易金融業界の市場規模は約989兆円と言われています。

金融システムには多くのデジタル機能が組み込まれていますが、それでも手動取引や事務作業を完全に削減できておらず、結果的に時間と費用を浪費してしまっています。

また、依然として不正行為が存在しています。

今回開発されたプラットフォームは、こういった問題の解決に取り組んでいくようです。

プロジェクト自体は2017年の初めに公表され、一度HKMAと共に7つの銀行間でプラットフォームのテストを完了させています。

2018年7月16日、HKMAはプロジェクトに対し次のようにコメントしています。

「貿易金融プラットフォームの目的は、貿易金融と二重金融に関連する不正行為を減少させ、長期的に未使用借入枠を増加し金融コストを削減することです。これは、中小企業(SMEs)に対する貿易金融へのアクセス支援にも繋がる可能性があります。」

コインテレグラフによると、同プラットフォームは中国では既に展開されているとのこと。

HKMAと共に開発に協力したPing An社の副最高経営責任者Jessica Tan氏は、

「銀行が個別にこのようなサービスを実施するのではなく、金融機関をまとめた金融管理局になるのです。」

さらにHKMAは、シンガポール金融管理局(MAS)とも協力し、同様のブロックチェーンベース貿易金融ネットワークを開発し、2019年初めには2ヵ国間での取引を開始する計画を立てているようです。

この度運用が開始される貿易金融プラットフォームは仮想通貨と関係ないものであるため、どんな種類のシステムにも応用できる最大のユースケース実装になるのではないか、と他の機関からも期待が寄せられています。

実際に運用を開始してから事務作業と手動取引のコストがどれほど削減されるかが、このプロジェクト成功の鍵となるでしょう。

参考サイト
“https://www.coindesk.com/hong-kongs-blockchain-trade-finance-platform-to-go-live-by-september/”
“https://cryptovest.com/news/hong-kong-monetary-authority-links-21-banks-through-blockchain/”
“https://btcmanager.com/hong-kong-launches-blockchain-based-trade-finance/”
“https://www.ccn.com/hong-kong-trade-finance-will-fight-fraud-with-a-blockchain-based-platform/”
“https://www.reuters.com/article/us-blockchain-trade/hong-kong-regulator-banks-launch-blockchain-based-trade-finance-platform-idUSKBN1K70AP?rpc=401&”

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