サイトアイコン CRIPCY

2017年の2万ドル超えは1頭のクジラのせいだった?

<この記事(ページ)は 4分で読めます>

2017年末、ビットコイン(BTC)は高騰が続き遂には2万ドル、日本円で200万円を超えました。現在はその半分以下の価格で推移しています。

そんなビットコインですが、今月ある論文に関する興味深い報道がありました。

今年11月4日に、テキサス大学のJohn M. Griffin氏とオハイオ大学のAmin Shams氏が更新した論文が波紋を呼んでいます。

その論文によれば、あの高騰はたった1頭のクジラによって引き起こされた、というのです。

この記事では仮想通貨業界における「クジラ」と、2017年末の真相について見ていこうと思います。

仮想通貨におけるクジラとは?

そもそも「クジラ」とは何なのでしょうか。

クジラとは、巨額の資金を動かす、または保有する機関投資家の事です。

元々は仮想通貨に限らず株式市場なども含めた経済界で使われているスラングを意味します。

金融界で有名なクジラと言えば、ウォーレン・バフェット氏やジョージ・ソロス氏などの大口投資家、ロックフェラーなどの財閥などが挙げられます。

この定義を当てはめると、日本の「クジラ」は以下のようになるでしょう。

・日本銀行
・3共済年金(日本電信電話共済組合〔NTT〕日本鉄道共済組合〔JR〕日本たばこ産業共済組合〔JT〕)
・かんぽ生命保険
・ゆうちょ銀行
・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)

最後のGPIFを除けば誰もが知っている企業、組合であることが分かります。

ビットコイン の4割はたった1000人が握っている

とはいえ、今回は仮想通貨(ビットコイン)のクジラの話です。

話を戻してビットコイン の「クジラ」を見てみると、総発行枚数の4割を1,000人程が所有しているというデータがあります。

総発行枚数は2100万枚なので、その4割は840万枚そして840万枚を1,000人で保有しているので、均等に持っているとした場合には1人当たり8400枚となります。

このようにして大量保有している人、取引所、企業が、仮想通貨界のクジラと言えそうです。

これだけの枚数のすべて、または一部を動かすとなれば相場への影響は必ず出てきます。

実際、2017年末に限らず相場が大きく動いた際にはクジラが原因だったことが多くあります。

2017年の高騰はたった1人のクジラによって起こされたのか?

今年11月4日、テキサス大学のJohn M. Griffin氏とオハイオ大学のAmin Shams氏が2018年に発表した論文を更新した、と報道されました。

2018年に発表し、今回更新された論文では2017年末の仮想通貨バブルが偶然ではない、ということを述べています。

そして今回の更新では、あの高騰は1頭のクジラ、つまり1人の大きな投資家によって引き起こされた、と主張しています。

論文の中でGriffin氏は以下のように述べています。

「我々の調査結果によると、ビットコイン価格を動かしていたのは数千の投資家ではなく、たった1人の大きな投資家だった。」

この大きな投資家が仮想通貨取引所Bitfinexでテザーを使って、ビットコインを購入したことで、価格高騰につながったとしています。

また両氏は、上記のようにテザーをビットコイン購入に使用して高騰につながるパターンはテザーの新規発行後にのみ発生していて、Bitfinex以外の取引所では観測できていないそうです。

これらのことから2017年末の高騰が1頭のクジラであったことが証明されました。

しかし論文更新後、テザー側は執筆に用いたサンプルデータが不十分であることから、根本的な欠陥があると反論しています。

つまり実際のところ、真実はまだ明らかになっていない、ということになります。

まとめ

いかがだったでしょうか。2019年も残り少しですが、ビットコイン バブルの大きな謎は抱えたまま、年を越すことになりそうです。ちなみに、クジラの動きはWhale Alertといった情報を通知してくれるサイトで知ることができます。

あの暴騰から丸2年。今年のクジラたちの動きにも注目していきましょう。

関連記事はこちらから

【関連記事】
参考サイト:
”https://coinpedia.cc/crypocurrency-whale”
”https://isamist.work/btc-whale”
”https://jp.cointelegraph.com/news/one-whale-was-behind-bitcoins-2017-bull-run-claim-researchers”
モバイルバージョンを終了