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3月2日現在、時価総額17位につける仮想通貨、Nano(ナノ/XRB)。
1月31日にRaiBlocks(レイブロックス)からリブランディングしました。
XRBってなんだか XRPに似ていますよね。
けれどもリップルに引けを取らず、注目されているコインなんです。
フィレンツェにある取引所BitGrail(ビットグレイル)から200億円を超える額が盗まれたことや、Binance(バイナンス)の投票で一位となりBinanceへ上場を果たしたことでも話題の仮想通貨です。
今回はそんな仮想通貨Nanoの仕組みや特徴、将来性を見ていきましょう。
Nano の特徴 – Nanoが実現するものとは?
Nanoはビットコインの課題を解消するために考えられたコインです。
ビットコインは需要の高まりとともに、以下の4つの問題が顕在化してきました。
①:スケーラビリティの低さ
②:①に起因する取引承認時間の長さ
③:②を解消しようと努力することに起因する取引手数料の高騰化
④:マイニングにかかる莫大な消費電力
これを解消するために開発されたのが、Nanoです。
Nanoはこれら4つの問題を解決できる仮想通貨だと謳っています。
つまり①:スケーラビリティの高さ
②:取引承認時間の短さ
③:取引手数料が無料
④:そもそもマイニングがないため、消費電力も少ない。
の4つが大きな特徴です。
NanoがRaiBlocksからリブランディングした理由がRaiBlocksよりもNanoの方がプロジェクトのシンプルさとスピードを表すということをメインに上げているほど、特に(送金の)速さを重視しています(RaiBlocksが発音しづらいのがもう一つの理由)。
Nanoのこれら4つの仕組みを支える根本が、DAGと呼ばれるものです。それではNanoの仕組みを見ていきましょう。
Nanoの仕組みは?
Nanoの一番の仕組みはNanoがブロックチェーン技術を用いず、DAGと呼ばれる技術を用いているということです。
このようにDAGを用いるコインをDAG型コインと呼びます。
DAGの詳しい仕組みはこちらをご覧ください。
Nanoは超高速送金!?
Nanoではブロック格子構造と呼ばれる構造を取っています。
ブロック格子構造では、各アカウントが取引と残高履歴が書かれたブロックチェーン(アカウントチェーン)を所持しています。
ただしここでいうブロックチェーンとは、各ブロックに一つしかトランザクションが記録されていません。このため、ビットコインなどで用いられる一つのブロックにたくさんのトランザクションが記録されるブロックチェーンとは意味合いが異なり、Nanoがブロックチェーン技術を用いないという表現と矛盾はありません。
以後、混同を避けるため、アカウントチェーンとします。
各アカウントチェーンを更新できるのは、各アカウント所有者のみとなります。
口座Xから口座Yへの送金には二つのトランザクションが含まれています。
取引と残高履歴が記録されるアカウントチェーンはその所有者によってのみ追加することができるんでしたね。
そのため、送信者の残高から差し引く送信トランザクションと、受信口座の残高に加える受信トランザクションの2つのトランザクションが必要となります。
このことのおかげでブロックチェーンと異なり、各アカウントがアカウントチェーンを所持しているため、非同期的に、即座に情報を更新することができます。
つまり、送信トランザクションは即座に完了し、受信トランザクションはいつでも実行できるため、高速取引が可能となるのです。
繰り返しになるのを恐れずに言うと、個々のアカウントではネットワークと非同期的にトランザクションが更新されていくため、ネットワーク全体がすべてのレジャーを大量のブロックで更新する必要はありません。
非同期的に更新するため、トランザクションが、当該口座に素早く反映され、即座の送金が可能となるのです。
Nanoの送金速度は目を見張るものがあり、リップルよりも早く送金できるそうです。
Nanoは手数料が無料!
NanoではNanoのプロトコルが非常に軽量であるのに加え、送金トランザクションを二つに分けたため、一つあたりのサイズが小さくなっています。
さらに、ノードはほとんどのアカウントチェーンのブロック(取引記録)を記録し、再ブロードキャストするだけなので、ほとんど維持費がかからず、送金手数料が無料となっているということです。(例えば、ビットコインのノードには普通、ルーティング、ブロックチェーンデーターベース、マイニング、ウォレットなどの機能、データを搭載しています。)
このようら理由から、Nanoでは送金手数料が無料となっています。
コンセンサスの方法
次はNanoのトランザクションの承認方式を、Nanoと同じDAG型コインのIOTAやByteBallと比較していきましょう。
IOTA
IOTAでは自身のトランザクションを承認指定してもらうために、他の2つのトランザクションを承認する必要があります。
そしてまた、スパム耐性のために義務付けられた、PoWという作業を行う必要があります。(このPoWはビットコインなどで行われる承認作業としてのPoWとは意味合いが異なります。)
図の□を「ノード」、←を「エッジ」と言います。
ノード(□)をトランザクション、エッジ(←)を承認と考えてくださいね。
左にあるノードが古く、一番右のグレーのノードが最新です。1つのノードから2つのエッジが出ていますよね。
図のように、自らのトランザクションを承認してもらうためには二つのトランザクションを承認しなければいけないのです。
IOTAでは、この構造(これも DAG)のことをTangle(タングル)と呼びます。
IOTAではこのような承認システムが取られています。
また、ユーザー同士が承認する仕組みを取るため、手数料は0円となっています。
Byteball
一方、Byteballではwitnessという管理者によりメインチェーンに依存した取引承認を行います。
また、witnessが存在するため手数料が発生します。
IOTAの仕組みとは異なり全ユーザーから選挙によってえらばれた12人のwitnessと呼ばれる代表者が管理にあたり、二重支払いを防ぎます。
witnessは現実世界において地位や、名声を持つ人物が想定されています。
不正を働くことで受ける損失が大きいために不正を働かないというわけです。
witnessの仕事はDAGグラフの中にメインチェーンと呼ばれるチェーンを作ることです。
これは二重支払いが生じた際に、より早い時間にメインチェーンを承認しているトランザクションのみを有効とするという規則によりトランザクションを差別化するためです。
witnessには報酬として手数料が支払われます。
Nano
Nanoの取引承認方法は、対立する取引(二重支払いなどが疑われる取引など)についてのみdPoSと呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを用います。
これはdelegated Proof of Stakeの略語で、delegatedは委任された、という意味です。
PoSの応用とみて問題ありません。
dPoSは仮想通貨の保有者による投票を経て取引の承認者が選出され、選出された承認者がブロックを承認します。
Nanoの保有者にはNanoの保有量に応じて投票権が割り当てられるため、Delegated Proof of Stakeという名前がつけられています。
Nanoの価格・チャートは?
Nanoは2018年3月5日現在、時価総額ランキングで18位につけています。
価格と取引量は以下の通りです。
Nanoは2017年8月RaiBlocksという名前でリリースされました。
そこからのチャートは以下の通りです。
年末から年始にかけての大幅な上昇は、2018年1月5日に終了した、第5回バイナンス投票の結果、1位となり、バイナンスへの上場が決まったからです。
その後、1月31日のRaiBlocksからNanoへのリブランディング、また2月2日にバイナンスへの正式上場の結果、再び上昇しましたが、イタリアでの現地時間2月9日に起こった取引所BitGrailからの200億円を超える盗難事件の影響で、価格は落ち込み、現在再び上昇してきている、という様子です。
Nanoが購入できる取引所は?
Nanoが購入できる取引所は増加傾向にあります。
先ほどのBitGrailでの盗難事件では、BitGrailのCEOが元々Nano(当時はRaiBlocks)の開発チームに属していたこともあり、CEOによる詐欺も取りざたされています。
日本の取引所ではまだ取り扱いがなく、購入するには海外取引所を利用する必要があります。
2月2日に、中国の三大取引所の一つOKcoinで取引が始まったほか、Kucoinなどでも取引が可能ですが、一番安心感があるのは利用者数が世界No.1の取引所のBinanceです。
取引ペアは200種類以上と大変豊富で、オススメの仮想通貨取引所です。
BinanceでNanoを購入するには、ビットコインが必要です。
まだビットコインを持っていない人は、ぜひ国内最大の取引所ビットフライヤーでビットコインを手に入れてから、バイナンスでNanoを手に入れましょう。
Nanoの将来性って?
NanoはDAG型コインという新技術を用いたこと、Binance投票で1位となったこと、BitGrailでの盗難事件など様々な側面から注目され始めているコインです。
BitGrailでの盗難事件はNanoではなく取引所側のセキュリティが問題であったため、Nanoの技術への攻撃ではありませんでしたが、DAGはブロックチェーンに比べ歴史が浅いため、まだ攻撃への耐性などが十分にわかっておらず、検証が必要です。
しかし、Nanoはホワイトペーパーであらゆる攻撃への対応策を述べており、考えられる最善は尽くしているようにも思われます。
一方、同じような低料金、高速送金を謳うリップルよりも料金が安く、高速で送金できますが、リップルが流動性を高める取り組みに熱心なのに比べ、流動性の低下が懸念されるコンセンサスアルゴリズムであるPoSに似たdPoSを採用していることなど、流動性が高まるかは不明点もあります。
とは言っても時価総額では だDAG型コインで最も有名と言っても良いIOTAを抜くなど期待値は高いコインで今後の動向に注目です。
ちなみにNanoには公式のWebウォレット、nanowalletが存在します。
とても洗練されたイメージのあるウォレットです。是非、活用してみてはいかがでしょうか?