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スマートフォンの普及に伴いSNSが急速に普及しています。有名なものとして、ツイッター、フェイスブック、インスタグラム、タンブラーなどがあります。
これらのSNSはすべて企業が管理・運営をしています。運営会社の監視やユーザーの通報などによって、運営会社が定めた一定の基準に触れる投稿は削除されたり、アカウントが凍結されたりします。
このような、運営会社や他のユーザーによる検閲・改ざんを防ぎ、「表現の自由」の実現を目指して開発されているSNSがあります。それが、アカシャ(AKASHA)です。
ブロックチェーン技術によって表現の自由を実現
アカシャは、サンスクリット語で「天空」を意味する言葉です。
イーサリアムベースで構築されたブロックチェーンを利用し、中央管理者のいない分散管理型SNSとして開発されています。
ブロックチェーン技術を使うことで、中央管理者による検閲を排除するだけでなく、ハッキングによって投稿が改ざん・削除されるリスクもなくしています。
これによって、投稿の内容が操作されたり制限されたりすることがなくなり、表現の自由を実現することができるほか、ユーザーが自由に情報にアクセスすることが可能です。
ブロックチェーン技術を利用したSNSサービスとしては、他にも、現在利用できるSteemit(スティーミット)や、開発中のALIS(アリス)などがありますが、これらはコンテンツの投稿者やそれにコメントなどの反応を返したユーザーに報酬を支払うことで、SNS全体のコンテンツの質を上げることを目標としているサービスですので、アカシャとは方針が異なります。
アカシャの機能
アカシャは、ユーザーが自分で投稿したコンテンツをETH(イーサ)単位で販売することができます。イーサリアムは送金手数料が安くマイクロペイメントに向いているため、少額でもコンテンツのやり取りができます。
また、「いいね」の代わりに他のユーザーが投稿したコンテンツに対してETHを支払うことも可能です。自分の投稿したコンテンツにETHを通して価値をもたせることができるため、クリエイターが自分の作品を公開する場として活用することができます。
アカシャのコンセプトは「表現の自由の実現」です。表現の自由が守られるので、販売するコンテンツの内容も自由です。
アカシャのロードマップ
公式サイトにロードマップが公開されており、現在はアルファ版がリリースされた段階です。今後の予定としては、2017年中にベータ版がリリースされ、2018年中に正式リリースとなります。
しかし、本来の予定ではリリースされているはずのウェブ版が、9月25日現在リリースされていないため、以降の予定も遅れていく可能性があります。
アカシャのアルファ版
2016年5月13日よりアカシャのアルファ版が公開されており、一部の機能を利用することができます。
アルファ版をインストールして起動すると、セットアップとして、「Express setup」と「Advanced」を選択する画面が出てきますので、「Express setup」を選択します。
最初にGethのセットアップが始まります。Gethは、イーサリアムのP2Pネットワークに接続するためのクライアントです。アカシャはイーサリアムベースで作られたプラットフォームですので、この作業が必要になります。
Gethのセットアップが終わると、イーサリアムとIPFS(アカシャで使用されるP2Pシステム)の同期が始まります。
同期が完了したら、あとは自分のアカウントを作成すればアカシャを利用する準備は完了です。
アルファ版では、記事の新規投稿、他のユーザーの記事の閲覧、他のユーザーのフォロー、チャットといった基本的な機能を使うことができます。
他のユーザーの記事を閲覧するときは、記事を直接検索するか、ストリーム(タイムライン)から最新の記事を見るか、ユーザーのボタンから最新の投稿者を閲覧し、その記事を見るという方法があります。アルファ版なのでまだ投稿記事は多くありませんが、記事に対してコメントを残すことができます。
チャットは、チャンネルを作ることで他のユーザーとコミュニケーションをとることができる機能ですが、アルファ版ではほとんど稼働していません。
アカシャのトークンセール
現在のところ、アカシャがクラウドセールを行う予定は決まっていません。
開発チームが分散管理型アプリケーションのノウハウを得ることを最優先とし、その成果次第でクラウドセールを行う可能性もあるとしていますが、少なくともクラウドセールを行うのはベータ版のリリース後になるようです。
まとめ
アカシャは、ブロックチェーンの特性である分散管理型で中央管理者がいないという点をSNSで活用することで、第三者によって検閲や改ざんを受けることのない、表現の自由が実現された言論空間を作るという、まったく新しいコンセプトで開発されている仮想通貨です。
開発チームの規模は小さいですが、アドバイザーとしてイーサリアム開発者のヴィタリック・ブテリン氏がついており、すでにアルファ版もリリースされていることから、期待の高いプロジェクトといえるでしょう。
近々リリースされる予定のウェブ版やベータ版、将来行われるかもしれないクラウドセールなど、今後の動向に注目です。
※仮想通貨(暗号通貨)の投資にかかる最終決定はご自身の判断でなさるようお願いいたします。