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昨年2018年8月にICEによって立ち上げられたビットコインデリバティブ取引プラットフォームBakktは、9月22日日曜日夜20時(日本時間23日)、待望のビットコイン先物の取引を開始しました。
BTC価格は、10,115ドル(約108万円)で、71件のマンスリー契約(月次)と1件のデイリー契約(日次)で初取引されました。
おおよそ、711,000ドル(約7600万円以上)の売買高でした。
Bakkt Bitcoin Futures are now actively trading on ICE Futures U.S., while the Bakkt Warehouse continues to onboard bitcoin
We take our customers’ trust seriously, and are excited to serve this market
— Bakkt (@Bakkt) September 23, 2019
(出典 https://twitter.com/Bakkt/status/1175945114671337472)
親会社であるICE(インターコンチネンタル取引所)の傘下にはNY証券取引所もあり、次々と世界の取引所を買収していることで、ウォールストリートや消費者および企業が、ビットコインを享受する為の大きな一歩となるのではと期待されています。
BakktのライバルはCME
先物取引は、石油、金、株や通貨など基礎となる市場が、上がるのか下がるのかに対してトレーダーが賭ける取引です。
ビットコインの先物取引を開始したのは、シカゴマーカンタイル(CME)で、時は2017年年末、あの仮想通貨の冬を迎える頃です。
今や一日平均で2億ドル(約214億円)以上のビットコイン先物を取引しています。
最近発表したところによると、来年早々にはビットコイン・オプション取引にも展開すると述べています。
しかし、後発のICEはその斬新な契約設計で企業を惹きつけようとしています。
日次および月次先物契約の初期ヘッジ要件は3,900ドル(約417,000円)、両方なら4,290ドル(約459,000円)など、アドオンの詳細、ヘッジ率などが今月初旬に発表されています。
ICEの先物を保有するトレーダーは有効期限内であれば、その掛け金の支払いは、ビットコインで、またはBakktにビットコインを届けて決済します。
このようなプロセスは、現物引き渡しと呼ばれるもので、牛や金属、カカオ先物などでは用いられていますが、ビットコインにっとては新しいことです。
現物引き渡しは、先物価格と原市場の価格との間の緊密なリンクを保証する、と多くのトレーダーは主張しています。
ちなみに、CMEのビットコイン先物は、米ドルで決済されるのでトレーダーは実際のデジタルコインを処理する必要がありません。
Bakktが創り出すビットコインの新しい勢い
当初は昨年の11月に開始予定でしたが、規制当局からの承認待ちや、クリアランスの選定などで延期されてきました。
さらに、先物市場のクリアランス企業(清算会社)として最大のゴールドマンサックスが、CMEの一部のクライアントには清算していますが、ICEではその予定はないと言われていることも潜在的問題として憂慮されています。
しかし、今年前半のビットコイン価格の上昇は、このBakkt先物に期待する声を反映しているという評価もあります。
Bakktの最終目標は、暗号通貨を十分に透明にし、個人が小売購入で使えるように十分規制することです。
ボラティリティの高いビットコインが世界経済のエコシステムに受け入れられる為には、価格の安定が必須です。
これまでは、その欠如の為、流通の決済手段としては成功していません。
ICEの先物が成功すれば、商人たちがビットコインの価格変動から身を守ることができるでしょう。