ビットコイン ペソ建で過去最高額更新
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インフレが高まるアルゼンチンの法定通貨ペソに対してビットコイン価格が、過去最高額を更新したことが明らかになりました。
下落する法定通貨からの逃避先として仮想通貨が機能し始めている可能性があるとのことです。
2017年末のバブル期以来の高値
ビットコイン価格は、現在ペソ建てで394000ペソ(8792.92ドル)で推移しています。
アルゼンチンのペソに対してこれほどの高値を付けるのは、2017年末のバブル期以来とのことです。
背景にあるのはアルゼンチンでインフレが急速に進み、法定通貨ペソに対する信用不安が大きくなったことが指摘されています。
対米ドルでも大きく下落
下のCNBCのチャートで見られるように、ペソは、対米ドルでも大きく下落しています。
今年3月末に対米ドルで過去最低を記録したことを受け、アルゼンチン中央銀行は、今年のインフレ率の見通しを上方修正しました。
迷走するアルゼンチン経済
悪化する経済状況の中、「マーケットに友好的」として高い人気を得ていたMacri大統領の支持率は低下しているとのことです。
アルゼンチン中央銀行は、昨年8月に政策金利を60%引き上げ、Macri大統領は国際通貨基金(IMF)に対して500億ドルの融資を要請しましたがペソの下げ止まりは見られませんでした。
次の大統領選挙では、型破りな政策で有名なCristina Fernández前大統領が再び政権を握る可能性も高く、投資家は”民主主義による割安(democracy discount)”を織り込もうとしているのではという見方もあります。
フィナンシャルタイムズによると、ペソは昨年の価値は今年に入って半分にまで下落し、今年4月には米ドルに対して新たな下落段階に入ったとのことです。
今年3月上旬に、ベンチャーキャピタルの富豪とされるTim Draper氏は、アルゼンチン大統領に、当国の経済状況の改善のため、ビットコインを合法するように助言したとのことです。
迷走するアルゼンチン経済とともに信頼を失いつつある法定通貨ペソの下落はどこまで続くのか今後の動向には注意が必要です。