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コロナ発生源となった中国は、収束のめどが目に見えてきているようです。一党体制で決めたら一斉にその方向に向かう政治体制が功を奏しているのかと感じます。
暗号通貨取引所は大きな影響も受けず、むしろ在宅になった投資家が取引を増加させているといった状況でしたが、時を追うごとに、次なる影響が浮かび上がってきました。
価格が下落しており、株価にも影響を与え続けているコロナですが、心理的な問題だけでなく実際のマンパワーが影響しているようです。
取引所やカスタマーサービスなどは影響がほとんどないということですが、ブロックチェーン開発などの技術的なアップグレード、製品開発に必要な技術者の出張、ロジスティックといった分野に与える影響が大きくなっているようです。
ブロックチェーン・スタートアップのコロナ対応各種
スイスに本拠地を置く、ブロックチェーン開発スタートアップおよび取引プラットフォームを運営するZBグループは、中国で2013年に創立されて以来、1000万人以上のユーザと1日の平均取引量30億ドルを誇る規模です。中国のみならず、シンガポール、韓国や米国での事業展開をしています。
ZBグループ副社長のオーロラ・ウォン氏は、取引所の新しいバージョンへの技術的なアップグレードには遅れが出ており、ユーザー向けのフロントエンドモバイルアプリおよびバックエンドトレーディングエンジンも同様ということです。
それよりも、フィジカル的に従業員を守るべく会社は努力をしていると言います。
「遅れて迎えた春節休暇を終えて仕事に戻ってきた従業員たちには、リモートワークをお勧めしています。コロナのアウトブレイクは心理的にストレスを引き起こしました。多くの都市は厳密に封鎖されてはいませんが、健康と社会全体を感染拡大から制御するためには、外出は決して推奨しません。」
また、中国で創立してエストニアに拠点を置くBibox取引所は、有事の場合のコンティンジェンシープランがあり、同社のコアエンジニアリングチームは、感染ケースのより少ない地域、シンガポールやベトナムなどのようなアジア諸国へ移す可能性も示唆しています。
取引業務やマーケティング業務には影響はなかったが、新製品開発やネットワーキングのイベントに関しては混乱している、ということです。
「3月にロンドン証券取引所でのIPOの準備で、現地のクリプトファンドとプライベート・エクイティ企業の会合を予定していましたが、延期されるでしょう。」と、共同創立者のワン氏は述べました。
オフィスは完全消毒、レンタル料削減に在宅支援
打撃を受けていない取引プラットフォーム企業とは違って、こういったブロックチェーン・スタートアップは深刻な影響を受けていると言います。
Canaan CreativeとOKExなどが共同設立したブロックチェーン・インキュベーション・センターB Labはこうしたブロックチェーンスタートアップのオフィスレンタル料を削減し、補助金申請のプラットフォームを開設することを決定しました。
OKExのCEOジェイ・ハオ氏は、香港にある本社について、
「従業員には、今いる地域から移動せず、出来る限り人込みを避け、出張は減らすように指示をしています。また、当社のオフィスは完全に消毒しました。手術用マスク、液体せっけんやアルコール消毒液などの保護アイテムを準備しました。」と、話しています。
また同時に、電話やビデオ会議ソフトなどのITシステムをアップグレードして、在宅ワークのプロセスを合理化し、グローバルオフィス全体を通じて正常に運用できるようにしたと、付け加えています。
マイニングに与える影響
ブロックチェーン業界のもうひとつの側面、マイニングセンターの方が受けた打撃は大きいのです。
というのも、マイニングには、トランザクションを記録して暗号ネットワークを保護する、数学の問題を解く競争をするための非常に高価なコンピュータを稼働させなければなりません。
Bitmain,BmicroBTやCanaanなど大手のマイニングマシン製造業者は、アウトブレイクによる物流の遅れで、配達の一部が予定どおりにならないと予想しています。
そして、なかには労働力の不足している状態でマシンの維持に尽力しているマイニングファームもありますが、流行対策措置をとる地方自治体によって閉鎖されているファームもあります。
ハッシュレートが2020年で初めて低下
マイニングの難易度が上がるのはビットコインマイナーたちの競争レベルの激化をあらわしていますが、それが低下しているということは、マイナー達がより強力なマシンへのアップグレードを一時停止していることを示しています。
つまり、取引量は増えているという事ですが、マンパワー不足によるマイニングの能力は低下しているのです。
ビットコインのマイニングの難しさは、ビットコインの健全性を示しているといえるので、半減期を目前に迎えたこの時期にマイニングのハッシュレートが下がり、ディフィカルティが下がる、ということはビットコインの価格下落にもつながっています。
仮想世界もリアルの世界も、終わらないウィルスとの闘い
民主主義で多くの人の意見を聞かないと先に進まない日本で、先週かなりドラスティックな方向に舵を切りました。
子供たちは学校という集団生活から外れることになりますが、実際は、感染を広めているのは仕事に出かけなければならない親世代と言われています。
働き方改革も半ばの状態で起きた今回のアウトブレイクは、今後なお一層のスピード感をもってテレワーク型の改革が進んでいくのではないでしょうか。
実際、学校でもオンライン授業に切り替えることが出来ているスマートな学校も存在しているようです。
ネットワークの世界にもウィルスは問題になりますが、リアルな社会で一番打撃を受けるのは人が介在しなくてはならない現場、ということはいつになっても変わりはありませんね。