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ボラティリティの激しいのがビットコインの特徴です。そんなことは分かっていても、まるでジェットコースターのような価格の上下に一喜一憂しています。
去年は「仮想通貨の冬」などと酷評され、その価格を大幅に下落させたビットコイン始め暗号資産のマーケットですが、今年(はもう6月なので)前半には115%以上も急増しました。
特に5月は今年最高水準の価格、コインベースで9,090ドルを確立しました。
もっとも、現在は1000ドルほど下げていますが、Digital Currency Groupの創設者でCEOのBarry Silvert氏によれば、この低下はビットコインの長期ブル相場を揺るがすものではなかったと、Bloombergで述べています。
(https://www.bloomberg.com/news/videos/2019-06-11/crypto-winter-is-over-digital-currency-group-ceo-says-video)(Bloomberg TechnologyTV Shows June 12th, 2019, 8:19 AM GMT+0900)
最近、仮想通貨という呼称を日本政府も世界に合わせて「暗号資産」と呼んでいます。
彼は、2011年以来この暗号資産マーケットに参入しておりこのようなボラティリティには慣れています。
そして、「仮想通貨の春が来た」と述べました。
ビットコイン価格は過去4回80%もの下落をしたものの、その4回の後で、価格は記録的な高さを達成しているとし、この現在のビットコイン価格からして、我々は冬を乗り越え春の入り口にいるのだろうと、と彼は述べています。
スタンダードは、ゴールドからデジタルへ。世代交代
祖父母や親の世代では金(ゴールド)が信頼ある資産としてスタンダードでしたが、現在の20~30代に至っては、生まれた時からインターネット社会です。つまり、アナログからデジタル世代への交代です。
Bloombergに出演した時の話題に上がっている、彼のGraysacleのテレビCMで、金(ゴールド)への投資からデジタルへ投資に、というコンセプトが、人々が運んでいる金を落としまくっている様子で描写されています。
(下記Twitter内のbloomberg.comのリンク内で視聴できます。)
彼はTwitterでも、金(ゴールド)投資についての考え方に世代交代が起こっていると言います。
25年経ったら、今のベビーブーム時代の金持ち達が所有する68兆ドルもの資産を、デジタル世代の私たちが受け継ぐ、ということになるのでしょうか?
機関投資家やベンチャーキャピタルからの明らかな需要に前向きに反応
今回のビットコインの復活は2017年の最後のブル相場の直前とは昼と夜ほどの違いがある、と彼はさらに述べています。
2017年のビットコインの需要が急激に高まったのは、いわゆるICOマニアの為でした。
人々はトークンをブロックチェーン・スタートアップに投資するツールとして買ったのです。
しかし、90%以上が失敗となり、クラウドファンドを通して集めたビットコインを売ってその損失を回復し始めたのです。
その結果、2018年には75%以上も価格下落が起きたのです。
しかし彼が言うように、マーケットはすでにICOマニアの段階からは脱却しています。
今年に入って、数々のアップトレンドへの牽引材料が考えられていますが、5月のFidelityのマーケット参入のニュースは、ウォール街の機関投資家の欲求に応える企業が増えていることを示唆しました。
機関投資家からの熱い視線があることは明白
機関投資家マネーがこの暗号資産クラスに「入ってくるかどうか」ではなく、要望があることははもう明らかであり、それが入ってくるのは「いつ」なのか、という段階にいるというのです。
それでも、そういったニュースがマーケットの感情を改善したことは事実で、価格上昇へとつながりました。
しかし、依然としてそのうちの90%以上は小口投資です。
Diarによる最近発表されたレポートによれば、1~10BTCを保有する投資家の数は今年最初の4か月で上昇しているということです。
100BTCまでのウォレット規模でも126,000BTCの増加、さらに、アドレスの数も増え続けており、現在のところ、循環しているビットコインの38%がこれらのアドレスで取引されているとみられています。
今年回復したビットコインはこれまでのところ、去年の最低水準だった時価総額610億ドルから1440億ドルへと到達しました。
今年は確実なステップを踏んで価値を高めている、といったところでしょうか。