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Libraがだめなら、中国のデジタル人民元が今後は勝利するだろう

2019.10.25
Libraがだめなら、中国のデジタル人民元が今後は勝利するだろう

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Facebook CEOのZuckerberg氏は22日、リブラプロジェクトについての米国下院金融サービス委員会の公聴会で、全ての法的準拠が認められずに協会がこのプロジェクトを推し進めた場合、Facebookは協会から離脱する、との意思表明をしました。

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おなじくFacebook役員であり、リブラプロジェクトを率いるDavid Marcus氏は、デジタルマネー世界での覇権について、米国議会に警鐘を鳴らしています。

5年もすれば世界はデジタル人民元ネットワークに

彼はBloombergのインタビューで、

「中国は米国の権力が全く届かないデジタル通貨システムを作り出します。

全世界が米国の制裁を完全にブロックし、制裁から守り、新しいデジタル準備通貨を保有する、というリスクが、米国(ワシントン)にはあります。

もし私たちによい答えがないまま、5年もすれば、ブロックチェーンで管理するデジタル人民元で、中国が世界の大部分をプログラムし直しているでしょう。」

と、話しました。

兼ねてよりその計画を進めていた中国ですが、今年6月にFacebookリブラの発表があって以来、そのデジタル通貨電子決済(DCEP)プロジェクトを推進するペースを加速しています。

米ドル主導のリブラVSデジタル人民元の構図か

ある中国の中央銀行当局者によれば、中国の暗号通貨開発の目的のひとつは、世界の金融システムでドルの優位性を強化するリブラの台頭に先手をうって阻止することだと強調しました。

リブラがペッグする法定通貨バスケットには、米ドル、ユーロ、円、英国ポンド、シンガポールポンドと9月に発表され、中国の人民元は除外されていました。

その9月に、中国人民銀行はデジタル通貨の研究所の所長にMu Changchun氏を任命し、国家のコインを立ち上げて、主要な中国商業銀行にそのコインを配布するという提案を詳細に述べました。

米国議会がMarcus氏の忠告をどう捉えていくのか、Libraプロジェクトの今後とデジタル人民元の開発の行方を見逃せません。

ビットコインなどの暗号通貨とは性質の異なる、ステーブルコインと言われるデジタル通貨の覇権争いは、法定通貨の場合のそれと変わりない様相を呈しているように見えます。

参考サイト:
“https://www.coindesk.com/facebooks-marcus-says-china-wins-with-digital-renminbi-if-u-s-nixes-libra”
“https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-10-17/facebook-warns-washington-that-beijing-wins-if-libra-plan-fails”

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