イランが独自仮想通貨をまもなく発行か
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イラン政府は、今週開催されるイベントで、独自通貨を発行する可能性があると中東メディアアルジャジーラが伝えました。
今週、テヘランで開催予定の電子バンキングと決済システムに関するカンファレンスで独自仮想通貨が発表される予定とのことです。
このカンファレンスの今回のテーマは、”ブロックチェーン革命”です。
トランプ政権による経済制裁を打開、SWIFTの代替え手段
イランは、昨年夏にトランプ政権による経済制裁が開始されてから、経済的な打撃を受けていました。
最もイラン経済にダメージを与えたのは、昨年11月に複数のイランの銀行が国際送金システムSWIFTから除外されたことです。
これにより、イランは輸出入の際にSWIFTによる決済をすることができなくなり、代替となる国際送金手段に頼らざるを得なくなりました。
アルジャジーラによると、今回発表される仮想通貨は法定通貨リアルに裏付けられてた初めてのデジタルトークンであり、イランの銀行や他の機関の決済だけでなく、将来的には国内の商品やサービスの日常決済のツールとしても期待されているとしています。
ロシア、アルメニアと3ヶ国ブロックチェーン協定を締結
昨年11月5日に、米国による経済制裁が実行された直後に、イラン中央銀行の総裁Abdolnasser Hemmtai氏は、当局はすでにSWIFTの代わりとなる手段の獲得に着手していると述べていました。
また、同時期に、イランは、ロシアとアルメニアのブロックチェーン研究機関と3カ国ブロックチェーン協定を結びました。
ロシアのプーチン大統領は、次のように述べていました。
「パートナーらとともに、SWIFTからは完全に独立した金融システムの構築に積極的に取り組んでいる。」
イランとロシアは両国とも長期にわたる米国の経済制裁を受けていたため、経済活動の制限を打開するためブロックチェーン技術に目をつけたのです。
米国の警戒、新たな制裁
イランの独自仮想通貨発行を警戒し、米国では昨年12月にTed Cruz 氏がイランのデジタル通貨開発を制裁する法案が導入されました。
イランのデジタル通貨を使用した取引や、デジタル通貨の販売、送金などをした外国人に対して制裁を加える内容となっているとのことです。
最近仮想通貨への参入を開始したサウジアラビアとUAEの後に続き、イランも独自のデジタル通貨の発行に踏み切るようです。
米国はこれに対しさらなる制裁を科す動きを見せています。
イランの仮想通貨が、SWIFTに代わる国際貿易の決済手段としての確立にはしばらく困難な道のりが続きそうです。
参考サイト:
”https://www.aljazeera.com/news/2019/01/iran-inches-closer-unveiling-state-backed-cryptocurrency-190127060320571.html”
”https://cointelegraph.com/news/iran-soon-to-unveil-cryptocurrency-with-aim-to-skirt-us-and-swift-source”