リップル社に対し大量売り停止の嘆願署名2000人以上 価格暴落の背景とされる
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6月末以降、暗号通貨市場は低価格で推移しています。
その背後にリップル社のXRPトークンの大量売りがあると見る投資家2000人以上が、大量売り行為の停止を求めてオンライン上で嘆願署名をしています。
「Rippleは数十億ものXRPを私たちに投げ売りし続け、価格を暴落させています。このようなことが暗号通貨の世界で広く受け入れられているとは驚きです。もちろん、私たちはXRPが大きな可能性を秘めた堅実なコインであると思っていますが、こんなことはやめるべきです!」
と、嘆願する声は1週間前に2000件の署名を超えました。現在は、2500件に迫っています。
XRPの販売ポリシーのジレンマ
2018年1月上旬に2.85ドル(約320円)のピークを記録したXRPは、今年6月22日に一時的な最高値0.5055ドル(約54.5円)に達しましたが、その後47%下落しました。
(出典 https://coinmarketcap.com/currencies/ripple/#charts)
一方、ビットコインは6月26日に一時的に高値の13,930ドル(約150万4000円)に達し、その後の下落は25%でした。
そういったなかで、リップルの場合は、市場の周期的な法則とは異なる動きをしているかのようだと見られています。
Crypto Bitlordというユーザー名によってChange.orgに投稿された請願書は、今回のような比較的低いパフォーマンスとなっている唯一の背景を説明しているものとして、Ripple(リップル)社が市場にXRPを投棄している(dumping)ということを示唆しています。
銀行との新しいパートナーシップなど、毎日良いニュースが出ていると、同社は言いますが、それでも価格は下がり続けています。
そのことに、論理的に唯一説明がつくとすれば、リップル社は市場に投げ売りしているということです。それも少量ではありません。文字通り数十億です。
それを開示している同社の報告を見れば、それが事実だとわかります。
(出典 https://www.ripple.com/?s=XRP+Markets+Report)
リップル社は、嘆願署名に反応した多くの人々が感じている失望には気づく可能性はありますが、大量売り政策を変更する可能性は低い模様です。
公式サイトでも四半期ごとに公表しているように、相当数のXRPをあらかじめ保有しているエグゼクティブの存在、および暗号ウォレットに一定量を保管(ロックアップ)して戦略的に開放(リリース)するという市場の作り方がリップルにはもともと存在しているということが一因にあります。
定期的にXRPが放出されるエスクローウォレット
8月初旬、リップル社は3億1400万ドル(339億1200万円)相当をロックアップしているエスクローウォレット(Ripple Escrow)から10億XRPを送金(解除)したと発表しました。毎月10億XRPを市場に投入しています。
同社はその中から、取引所や機関顧客にXRPを販売しています。
第2四半期(2019年の4月から6月)に2億5100万5000ドル(271億800万円)相当のXRPを販売した、とリップル社のInsightsから7月24日にレポートがリリースされています。
FX Streetによれば、
「リップル社はXRPの総供給量の半分以上を所有しているが、その大部分はエスクローに残っている。2016年以来、リップル社は11億4000万ドル相当のXRPを販売した。販売先の内訳として、64%は(銀行などの)機関に、36%は取引所に販売されている。」と、アナリストが述べています。
XRPは暗号通貨といえるのか?
リップルの主な顧客は銀行などの機関です。そもそも、銀行間の決済のためにブロックチェーンを開発しており、そこにリップルを応用しています。
顧客がリップルのグローバル送金プラットフォームでそのトークンを使用できるように、リップルは彼らにXRPを販売する必要があります。
今やフィンテックを中心に巨大なネットワークを構築しているリップル・ネットは、彼らのビジネススタイルです。
一方、創業当時に元CEOのクリス・ラーセンや現在のCEOブラッド・ガーリンハウスといったトップエグゼクティブが保有を許されたXRPの割合が、全発行数の1000億XRPのうち20%で、定期的に保有するXRPを放出しています。
一時400円程度の価格高騰となったこともあり、実際、彼らは最も裕福なアメリカ人リストの15位や50位にランクインされています。
そして残りの80%がオープンコインとして会社の持ち分となっています。定期的にエスクロー放出をしています。
時価総額3位の暗号通貨でありながら、そのトークンのかなりの部分を会社が所有し、最終的にコインの流れをコントロールするといったら、どうでしょうか。
これがXRP所有者が抱えるジレンマでもあります。当初から、売り圧力がかかると懸念されていたのです。このことが、多くの人が疑問視する部分、XRPが本当に暗号通貨なのかどうか、ということです。
しかし確かなことは、なかなか値上がりが思わしくないことにXRPホルダーたちは腹を立てている、ということです。
Crypto Bitlordは、リップル社が大量売りをやめれば、XRPの価値は今以上に上がることが期待されている、と付け加え、リップルが本当の信頼できる確かなコインであることを信じているようです。