CBDCはコロナウィルスによる経済低迷の回復に役立つ
<この記事(ページ)は 3分で読めます>
世界経済は後退へ向かっているという不安が現在多くの人が感じているコンセンサスです。
経済生産は縮小していますが、少なくともこの状況を緩和することのできる特定の技術革新があります。
中央銀行はすでに金利の引き下げを行い、米国、英国、EUでも量的緩和を実施しています。
しかし、グローバル経済の現状をさらに緩和させることができるものがあるとの指摘があります。
それは中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)と仮想通貨です。
中央銀行やエコノミストらによると、CBDCはマネーシステムをより迅速により効率的にすることが可能であると同時に、金融包括を拡大しマネーロンダリングや脱税を撲滅することに役立つとされています。
中央銀行自体が分散型台帳技術の仮想通貨を利用することは現時点では考えにくいことではありますが、これらの技術はマクロ経済的に将来ポジティブな効果をもたらすだろうと考えられています。
CBDCがマクロ経済にもたらす利益
イングランド銀行が2016年にCBDC発行がマクロ経済へ与える影響についての調査報告書を発表しました。
調査結果で最も注目すべき内容は、英国のGDPの30%に相当するCBDCを発行することにより、実質金利、脱税や金融取引コストの減少をもたらし、永続的にGDPを3%引き上げることが可能であるということです。
今年3月にもBank of Englandが新たに発表した討議論文でも、CBDC発行によってもたらされる様々なマクロ経済的利益が指摘されています。
世界のパンデミックはCBDCと仮想通貨にとって正念場
これらの可能性を踏まえると、コロナウィルスによるパンデミックは、CBDCと仮想通貨によって活躍の場を与えられた機会であると捉える考えも見られます。
英国でロックダウンが実施されて以来、キャッシュの利用率は約50%まで減少したとのことです。
ドイツでは人と接触のないカード決済が急増しているとのことです。
CBDCのがマクロ経済を大幅に向上させると考えているのは Bank of Englandだけではありません。
スイスの銀行協会もCBDCが純利益のほぼ全体を占めるだろうという見解を明らかにしています。
広報担当の最高責任者であるMichaela Reimann氏は次のように述べています。
「我々はCBDCが経済利益をもたらすことには同意しています。すでに広く知られているようにCBDCはe-moneyにとって必要なものをクレジットリスクなしに満たすことが可能です。CBDCは迅速かつ安全で低コストな決済を可能にすると考えています。」
CBDCはコロナウィルス感染拡大で、経済後退が懸念されるグローバル経済を救うことができるのでしょうか。
少なくとも各国の中央銀行がCBDCの有用性について注目し、発行に向けて本格的な検討を進める動きは確実に強まっているようです。