コミュニティの内部抗争!?ビットコインキャッシュ(BCH)はこれからどうなる?今後の価格を徹底予想!
<この記事(ページ)は 6分で読めます>
仮想通貨全体の相場が下がり気味で、各通貨の今後の値動きが気になりますね。ビットコインキャッシュは仮想通貨業界の開発者の支持も厚い主要コインの一つです。
そんなビットコインキャッシュですが、2018年の11月16日にハードフォークを行っています。ビットコインキャッシュの価格はハードフォーク後どうなったのでしょうか。そして、ビットコインキャッシュは今後どうなるのでしょうか。11月のハードフォークの背景からその後の動きまで説明していきます。
ビットコインキャッシュ(BCH)ハードフォーク前後の値動き
ビットコインキャッシュのハードフォーク前後の動きを見てみましょう。
ビットコインキャッシュのハードフォークは2018年の11月16日でした。11月7日には615ドルだった価格が11月20日には約3分の1の215ドルにまで下がっています。価格はなぜここまで大きく減少したのでしょうか?
その理由を明らかにするためにビットコインキャッシュのハードフォーク騒動の背景について説明します。
ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークの結果とその行方
ビットコインキャッシュのハードフォークではBitcoinABCとBitcoinSVの2つのチェーンに分裂しました。ビットコインキャッシュのハードフォーク実行ブロック「556767ブロック」に到達した時点でチェーンは2つに分裂しまずBitcoinABCが確認され、その数時間後にBitcoinSVの存在が確認されました。これによってハードフォークが無事行われたことが明らかになりました。
ハードフォーク前はBitcoinSVが優勢でマイナーの70%の支持を集めていました。しかし、ハードフォーク後はBitcoin.comのロジャー氏がチェーンスプリットに合わせてBTCからBCHに大幅な切り替えを行ったことが明らかになり、BitcoinABCに支持が集まったのです。
そもそも、ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークはなぜ行われたの?
そもそもビットコインキャッシュのハードフォークはなぜ行われたのでしょうか。そこにはビットコインキャッシュコミュニティが深く絡んでいます。
ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークの背景
ビットコインキャッシュはビットコインからハードフォークしてできたフォークコインです。ビットコインのスケーラビリティ問題に発端してSegwit派がハードフォークを実現しました。
ハードフォークしたビットコインキャッシュのコミュニティ内では年に2回定期的にハードフォークをすることとしています。2018年の1回目のハードフォークではブロックのサイズを8MBから32MBに拡張しました。
ところが、2回目のハードフォークを行う際にコミュニティで意見が分かれました。
ビットコインキャッシュではBCHWayという決まりがあります。これは、BCHの方針を決定するのはマイナーであり、マイナーのハッシュパワーにのみ決定権が存在するというものです。
そのために、ビットコインキャッシュはリプレイプロテクションをつけないという方針を取っています。リプレイプロテクションをつけないことでより、より多くのハッシュパワーを味方につけたチェーンが生き残るという仕組みです。
その結果、意見が対立した2つの派閥がハッシュレートを競いあうといった形になってしまったのです。
ビットコインキャッシュ(BCH)のアップデートに関する2つの主張
【BitcoinABCの主張】
BitcoinABCが提案したアップデートの内容にはオラクルを使用したスマートコントラクトやクロスチェーンの実装が含まれていました。このアップデートによってより多くの情報を取り込み、スムーズに取引できるようになります。
【BitcoinSVの主張】
BitcoinSVはクレイグ・スティーブン・ライトを中心としており、サトシナカモトの考え方を受け継いでいます。ビットコインを強く支持しており、ブロックチェーン関連の研究開発も行っています。
BitcoinSVはBitcoinABCの主張に対してブロック容量を32MBから128MBに拡張することと、以前に削除したビットコインのコードを回復させてスクリプトを増加させることを主張しました。
BitcoinSVはハードフォークに反発し、BitcoinABCに攻撃を仕掛けると主張しました。ある報道では、BitcoinSV派が51%攻撃を仕掛けることを検討していたといいます。
結果、ハードフォークは実行されました。BitcoinABC、BitcoinSVの発表によるとそれぞれ互いのチェーンを攻撃しないことを約束し、別のプロダクトとして競合するとしています。
ビットコインキャッシュ(BCH)ハードフォーク後の2つの派閥の行方や価格は?
ビットコインキャッシュのハードフォークが行われた後、国内取引所を含む多くの取引所がBitcoinABCをビットコインキャッシュの後継として支持しました。そもそも各取引所のノードでBitcoinABCが使用されていたことやBitcoin.comがBitcoinABCを支持してハッシュパワーを投入したことが理由です。現在多くの取引所でBitcoinABCをBCHと扱い、BitcoinSVをBSVと表記しています。
取引所によっては入金、取引可能な通貨が「BCH」のみであるため、二重送金を防ぐために顧客が自分で通貨の分離作業をしなくてはなりません。
基本的には国内の取引所やウォレットは「Bitcoin ABC」がBCH(ビットコインキャッシュ)であるとして対応しているようです。
また、国内取引所ではBCHを取り扱っている取引所がほとんどです。国内取引所ではBSVを取り扱っている取引所はありませんが、海外取引所ではBinanceがBCHを保有しているユーザーに付与したことで有名です。このようにBCH、BSVに関しては取引所やウォレットによって対応が異なるので注意しましょう。
Coinmarketcapでも、BCHのチャートにBitcoinABCを採用し、BitcoinSVのチャートはフォークコインとして別で表示しています。BSVのチャートを見てみると分裂後は一時価格が上昇していますが、その後価格が減少し、いまは1万円を切るほどに下がっています。
BitcoinABCであるビットコインキャッシュ(BCH)の価格を確認してみると、こちらも同様に1万近い価格になっていますが、BitcoinSVより少々高い価格をつけています。ハッシュパワーがBitcoinABCに集中したこともあり、ビットコインキャッシュの後継戦争にはある程度の決着がついたといえるのでしょう。
一方BSVですが、サトシナカモトの考えを支持しており、ビットコインの安定性を担保し、スケーラビリティ問題を解決するために様々な計画を立てているようです。例えば、ブロックサイズを12か月以内に1GBに拡張するということやリプレイプロテクションを実装することなどを計画しています。BitcoinABCと差別化し、理想のビットコインに近づくよう補強していくことで、目的を達成しようとしているようです。
ビットコインキャッシュ(BCH)、ハードフォークのその後の行方についてまとめ
ビットコインキャッシュのハードフォークは内部抗争が絡んだ業界の注目を集める大きな事件でした。コミュニティが強いコインは信用性という利点がある一方でこのような波乱が起きる可能性も孕んでいます。コミュニティが強い仮想通貨を購入する際はコミュニティの構造がどのようになっているかに注意すると良いでしょう。