<この記事(ページ)は 9分で読めます>
「リスク」と聞くとなんだかネガティブなイメージを抱きそうですが、今回ご紹介する仮想通貨リスクはRiskではなくLiskです。
リスク(Lisk/LSK)は、イーサリアム(Ethereum/ETH)と同様のdApps(ダップス)用のプラットフォームとして注目されている仮想通貨です。
今回はその仕組み・特徴を、イーサリアム(Ethereum/ETH)と比較しながら見ていきましょう。
そして、どの取引所や販売所で売買できるのかも徹底解説していきたいと思います。
リスク(Lisk/LSK)の特徴、仕組み
それでは、リスク(Lisk/LSK)の特徴を知るためにイーサリアム(Ethereum/ETH)と比較してみましょう。
イーサリアム(Ethereum/ETH)との共通点
そもそもなぜリスク(Lisk/LSK)がイーサリアム(Ethereum/ETH)と比較されるのか?
それは、共通点があるからに他なりません。
リスク(Lisk/LSK)とイーサリアム(Ethereum/ETH)が共通している点。
それは冒頭で紹介した通り、根本がどちらもブロックチェーンにスマートコントラクトを実装しており、分散型アプリケーション(dApps)用のプラットフォームとして開発されたということです。
ちなみにプラットフォーム名をそれぞれリスク(Lisk)、イーサリアム(Ethereum)と呼び、そのプラットフォーム上で使われる通貨がそれぞれLSK、ETHです。
スマートコントラクトとは、「人の手を介さずに契約を自動かつ正確に実行する仕組み」のことです。
よく例えられるのが自動販売機です。
自動販売機は、お金を入れる、買いたい飲み物を押すという二つの条件を満たしさえすれば、飲み物を自動的に手に入れることができます。
これは、「お金を入れて飲み物を選択すること」と「飲み物が出てくること」が契約で決まっていると解釈することができるのです。
このような仕組みを、様々な契約に応用することで、仲介手数料や、手間の削減を目指すのがスマートコントラクトなのです。
イーサリアム(Ethereum/ETH)との違い
次にリスク(Lisk/LSK)とイーサリアム(Ethereum/ETH)の3つの違い、プログラミング言語、コンセンサスアルゴリズム、dAppsの形成場所について見ていきましょう。
リスク(Lisk/LSK)とイーサリアム(Ethereum/ETH)の違い①〜プログラミング言語〜
まず、リスク(Lisk/LSK)とイーサリアム(Ethereum/ETH)の違いとして、使用されるプログラミング言語の差があります。
リスク(Lisk/LSK)はJavaScript、イーサリアム(Ethereum/ETH)はSolidityというプログラミング言語を使用しています。
JavaScriptは様々な場面で使われるプログラミング言語であるのに対し、Solidityは基本的にイーサリアム(Ethereum/ETH)の開発での使用が大半で、使われる場面が限られてきます。
この違いにより、JavaScriptを用いているリスク(Lisk/LSK)は、より多くの人が開発に携われ、より技術革新が起こりやすいというメリットがあります。
リスク(Lisk/LSK)とイーサリアム(Ethereum/ETH)の違い②〜コンセンサスアルゴリズム〜
リスク(Lisk/LSK)とイーサリアム(Ethereum/ETH)の二つ目の違いはコンセンサスアルゴリズムの違いです。
リスク(Lisk/LSK)はdPoS(delegated Proof of Stake)というコンセンサスアルゴリズム、イーサリアム(Ethereum/ETH)はPoW(Proof of Work)というコンセンサスアルゴリズムを使っていましたが、PoS(Proof of Stake)への移行が決定しています。
dPoSについて説明したいと思います。
大まかにいうとPoSではコイン保有量と、取引の承認者に選ばれる可能性が比例します。
一方、dPoSではコインの保有量に応じて投票権が与えられ、より多くの投票権を得たものが代表者となり(=delegated)、取引の承認を行います。
Proof of Stakeという名前はついているものの、任意の人物がブロックを生成できる可能性のあるProof of Stakeとは大きく異なります。
リスク(Lisk/LSK)ではマイニングという表現の代わりにフォージングという言葉を使います。
ちなみにマイニング報酬が半減期によって減額していくのと同様に、フォージング報酬も以下のように減額していきます。
リスクのフォージング報酬の減少推移
日時 | 報酬 |
リスクリリース | 5LSK |
2018年11月 | 4LSK |
2019年11月 | 3LSK |
2020年11月 | 2LSK |
2021年11月 | 1LSK |
このように1年ごとに1LSKずつ減少していく予定となっています。
また、2021年11月以降は報酬が減らずに1LSKで固定されます。
リスク(Lisk/LSK)とイーサリアム(Ethereum/ETH)の違い③〜dApps〜
dApps(ダップス)について詳しくはこちらをご覧下さい。
dApps(ダップス)とは一言でいえば、ブロックチェーンを利用したアプリケーション、つまりサーバーや中央管理者がいない非中央集権的なアプリケーションのことです。
イーサリアム(Ethereum/ETH)ではこのdApps(ダップス)の構成場所がメインのブロックチェーン(そもそもイーサリアムにはブロックチェーンが一つしかありません)です。
これに対して、リスク(Lisk/LSK)上で開発されたdApps(ダップス)はメインのブロックチェーンとは別のサイドチェーンと呼ばれるブロックチェーンの上で処理されることになります。
このため、すべての記録をメインのブロックチェーンに書き込むイーサリアム(Ethereum)に比べてリスク(Lisk/LSK)のほうがスケーラビリティが高いと言えます。
また、dAppsがサイドチェーンで処理されているため、イーサリアム(Ethereum/ETH)のThe DAO事件のようにセキュリテイの欠陥を突いた攻撃を受けた際にもサイドチェーンを切り離せばメインチェーン自体は影響を受けません。
よって、より信頼性が高いということができます。
リスク(Lisk/LSK)のリブランディング(リローンチ)について
今まで見てきたような仕組みを持つリスク(Lisk/LSK)ですが、2月21日にリブランディング(ブランドの刷新)が行われました。
気になるその中身ですが、こちらのYouTubeから視聴することができます。
要約すると、
1.リスク(Lisk/LSK)の新しいロゴの発表
2.リスク(Lisk/LSK)のビジョンの定義づけ
3.リスク(Lisk/LSK)のサービスプロダクトの新しいプロダクトの名称とデザイン
4.リスク(Lisk/LSK)の新しい公式サイト
などが発表されました。
しかし、この発表成功に終わったとは言い難いようです。
それはチャートを見れば明らかです。
次項ではリスク(Lisk/LSK)のリブランディング前後も含め、リスク(Lisk/LSK)のチャートを見ていきましょう。
リスク(Lisk/LSK)のチャート・相場・価格
まずは、Liskの時価総額、その順位、24時間の取引量を見ましょう。
それではリスク(Lisk/LSK)のチャートを見ていきましょう。
A: アルトコインバブルや、リスク(Lisk/LSK)がリリースされて1周年だったことに伴い上昇しました。
B: リスク(Lisk/LSK)と似た機能を持つアーク(Ark)上昇に伴い、リスク(Lisk/LSK)も期待され上昇しました。
また、Lisk core 1.0のアップデートを9月に行うことが発表され、その期待によりリスク(Lisk/LSK)は上昇しました。
しかし12月への延期が発表され、少し乱高下しました。
C: リスク(Lisk/LSK)の開発に関するイベントが11月5日に開かれ、それに対する期待から上昇しましたが、その後下落しました。
D: 年末までにLisk core 1.0アップデートと発表されていたことを受け高騰しましたが、結局またもや延期が決まり下落しました。
E: BTCの大暴落に伴いリスク(Lisk/LSK)も暴落。
また、E~Fにかけての時期はリスク(Lisk/LSK)のbitFlyer上場、Lisk core 1.0の再び再延期などが重なり、乱高下しました。
F: 2月21日のリスク(Lisk/LSK)のリブランディングへ向けて期待が高まりましたが、結局リブランディングの内容に多くの人が満足せず、大幅な下落となりました。
リスク(Lisk/LSK)の購入、取引可能な販売所、取引所
以前はコインチェックでリスク(Lisk/LSK)の購入・取引が可能でしたが、NEMのハッキング事件以降は出金・売却のみ受け付けています。
そんな中、2018年1月末からリスク(Lisk/LSK)の取り扱いを開始したのがbitFlyer(ビットフライヤー)です。
bitFluer(ビットフライヤー)はビットコイン取引量国内1位を誇り、初心者でも安心して取引ができるというメリットがあります。
日本円で直接リスク(Lisk/LSK)を購入できること、販売所形式で購入方法が分かりやすいことから、初心者の方には使いやすい取引所です。
海外の取引所では何と言ってもバイナンス(Binance)がオススメです。
Binanceは100種類以上のコインを扱い、利用者数も世界で最も多い取引所です。
手数料も取引金額の大きさに関わらず一律0.5%〜0.1%と非常に安いため、頻繁に取引する人にとっては非常にありがたいですね。
リスク(Lisk/LSK)の将来性
4月中にSDKと呼ばれる開発者用のツールが配布されることが予定されています。
SDKが配布されるとJavaScriptを用いることができるエンジニアがリスク(Lisk/LSK)のプラットフォームを用いたdApps(ダップス)の開発に取り込むことが予想されます。
また、リスク(Lisk/LSK)のLisk core 1.0β版のリリースが4月9日に行われるとの発表が公式ツイッターでありました。
そのため、リスク(Lisk/LSK)のチャートは回復傾向を見せています。
β版から正式なLisk core 1.0正式版へのアップデートはあと少しです。
リスク(Lisk/LSK)のまとめ
そもそもリスク(Lisk/LSK)はずっと Lisk core 1.0 から本格的に動きだすと言われており、とうとうLisk core 1.0 β版のリリースが発表されました。
また SDKの配布とともにこれからリスク(Lisk/LSK)を用いたdApps(ダップス)の開発が進み、リスク(Lisk/LSK)の本当のすごさがわかってくるのではないでしょうか?
まだまだ今後の動向から目が離せません。