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Zcash(ジーキャッシュ)ガバナンス、ASIC耐性強化への反対派が多数

2018.07.06

<この記事(ページ)は 4分で読めます>

先に行われたカンファレンス「Zcon0」で、2018年Q2における、Zcash(ジーキャッシュ)コミュニティメンバー(ガバナンス)対象の公開投票の結果が発表され、ASIC耐性強化への反対派が多数を占めたと明らかになりました。

ASICはマイニングの不公平感を生む、コミュニティの分裂の根源

ASICとは特定用途向け集積回路のことで、マイニングにおいてCPUやGPUよりも計算速度が速いことが特徴です。

最近の仮想通貨業界でASICは、マイニングにおいてかなり強力である事と導入コストが高いということから、中央集権化や51%攻撃のリスクが高いと考えられています。

つまり、ドカ堀りできる人が独り占めできるという不公平なマイニングになり、仮想通貨世界特有の権力者を持たない民主的な世界がそもそも崩れてしまいます。

このため、イーサリアムやモネロなど、掘りすぎを防止するべくASIC耐性をとり始めました
CPUやGPUなどの限られた集積回路しか使えないアルゴリズムを採用しようとする仮想通貨が増えています。

Zcash(ジーキャッシュ)のASIC耐性はいかに?

一方、Zcash(ジーキャッシュ)のガバナンスの中では、

「ASICマイニング機器の使用を阻止するASIC耐性を強化し、GPUマイニング機器を推進する方針をZcashコミュニティメンバーは支持するか?
またZcash(ジーキャッシュ)財団はそれに従うべきか?」

という問いに対して、賛成19票、反対45票という結果になりました。
投票に参加したのは、仮想通貨コミュニティの中から選出された64人のメンバーです。

Zcash(ジーキャッシュ)財団トップのAndrew Miller氏は、カンファレンスに先立って現れたこの結果に対して驚き、

「かなり強い反対色です。この解釈から私は、ASIC耐性について先急いで軽率な判断はしないつもりです。」

とコメントしました。

しかし、2020年9月10月に予定されているハードフォークに向けて、(ASIC耐性ではなく)現在使用されていないPoWアルゴリズムなど、熱力学的により効率的な承認方法、特定のPoWのオープンソースを立てることを研究するべきかなどといった問いに関しては、賛成38票、反対26票という結果になりました。

予想に反してASIC対策に対する要望は強くないものの、現行の承認方法そのものを見直すことは求められています。

尚、Zcashのコードを管理する主な団体Zcashカンパニーとしては10月のSaplingアップグレードに先立って、ASIC耐性についてのより正式なスタンスを明らかにするようです。

Zcon0カンファレンスのZcash価格への影響

ZcashカンパニーとZcash財団は別の組織ですが、そのロゴマーク所有権に関しても投票が行われ、財団が所有すべきだという意見が多かったそうです。
その他、財団の代表者の投票も行われました。

このように財団としては、コミュニティの意見、オープンガバナンスの考えを、今後の優先事項の選択肢として重要視しているようです。

ここで、カンファレンス開催日を含むZcash(ジーキャッシュ)の1週間のチャートを見てみましょう。

Zcash(ジーキャッシュ)ガバナンス、ASIC耐性強化への反対派が多数

 

投票結果について言及されたカンファレンス「Zcon0」が開催された28日に価格上昇の動きがありました。
これを受けて、今後Zcashが画期的な承認方法を採用するのか気になりますね。

また、価格上昇の期待もできるこれからのイベントや公開投票の情報もチェックしていくようにしましょう。

参考サイト:
https://vote.heliosvoting.org/helios/elections/cdc15aa6-6f75-11e8-b5e0-0e48ec97cebb/view
https://www.coindesk.com/zcash-governance-panel-shoots-research-asic-resistance/

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