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米国取引所クラーケン(Kraken)、テザー(Tether)価格操作の疑惑報道に反撃開始

2018.07.06
クラーケンvs bloomberg

<この記事(ページ)は 4分で読めます>

サンフランシスコに拠点を置くクラーケン(Kraken)がBloombergの記者により掛けられていた疑いに反撃を開始したということです。

クラーケンではテザー(USDT)という米ドルとペッグ(等価と言われている)している仮想通貨のマーケットを扱っています。

そもそもUSDTに関しては、いろいろな疑問やうわさがあるのですが、クラーケンでのオーダーブックには、専門家がみれば明らかに不審な取引が見受けられるとしています。

これは、Bloombergニュースのジャーナリストたちがかねてより疑惑を論じ、最近、Bloombergのレポートとして発表されたものです。

取引経済の法則に反する、大口のオーダーが入っても価格が動かないUSDT

疑念を抱くBlombergの記者たちは、5月から6月の56,000件におよぶKrakenでの取引データを分析し、通常の経済取引の値動きからは考えられない不自然なUSDTのチャートに目を付けたようです。

ニューヨーク大学の教授、連邦準備銀行の審査官ら、元プロのポーカープレイヤーまで、その他多くの経済専門家が口をそろえて、USDTのトランザクションに不自然なものを読み取っています。

同じ個人や団体に取引されている可能性の現れ、資金洗浄を表す可能性もあるといいます。

価格操作を行ったのはKraken ではない、Bloombergの方だ

Kraken は、自らの仕事に誇りを持つべく、ジャーナリストたちを激しく批判するブログを立ち上げました。

レポートの根拠となった取引データも合法的ではないと反論し、さらに、そのレポートを公表した6月29日はCMEでの先物取引の最終日に当たることから、Bloombergこそレッドカードだと述べています。

また、USDTは米ドル準備金と為替裁定取引(アービトラージ)によって価格を安定しているのであって「価格操作」によってではないと主張しています。

Bloombergニュースのジャーナリスト達は、マーケット構造、アービトラージ、オーダーブックや通貨ペッグなどのマーケット構造をまったく理解していないようだ、と貶し、「彼らはテザーのロジックに挑んでいる。意味がない。」

と激しく応戦しています。

アセットバックの安定した取引はそう簡単にはできないだろうと思われているのだろうかと。

お互いにレッドフラッグを出し合っているような状況です。

1BTC=$6350ならKrakenで$6350で取引すれば理論的にはUSDTは$1

批判は真摯に受け止めるが、価格操作はむしろ我々が取れるものではなく、BTC/USDTやETH/USDTで取引される数十億ドルによって決定される可能性の方が高い、と説明しています。

クラーケンだけでなく、Bitfinexにもかけられたテザーを取り巻く価格操作の疑惑は、ストーリーとして捉えておいても、現在も10位の人気でほぼ1ドルの価格という、ボラティリティのほぼないステーブルコイン。

私たちの資産を安定して預けて置けるのは、通貨なのか取引所なのでしょうか。

ジャーナリストのような眼を持っていてもいいのかもしれません。

参考サイト:
https://www.bloomberg.com/graphics/2018-tether-kraken-trades/
https://www.ccn.com/kraken-strikes-back-at-tether-price-manipulation-claims/
https://news.bitcoin.com/kraken-goes-savage-against-tether-manipulation-allegations/
https://blog.kraken.com/post/1664/on-tether-journalists-defy-logic-raising-red-flags/

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